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イラストレーターとは?仕事内容や持っていると優位な資格も解説
目次
- イラストレーターとは
- イラストレーターの仕事の流れ
- クライアントから依頼を受ける
- 要望のヒアリング
- ラフ案提出
- 制作
- 納品
- イラストの種類
- 雑誌の表紙
- 小説の挿絵
- スタンプ
- ソーシャルゲームのイラスト・背景
- 商品パッケージ
- ポスター
- イラストレーターに求められるスキルや知識
- コミュニケーションスキル
- 画力やデッサン力
- オリジナリティ
- デザインソフトのスキル
- 読解力や表現力
- 自分を売り込む積極性
- イラストレーターとして持っていると優位な資格
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)
- 色彩検定
- CGクリエイター検定
- イラストレーターとしての働き方
- フリーランス
- ゲーム会社
- 副業
- デザイン事務所
- 派遣
- 未経験でもイラストレーターになれる?
- イラストレーターの平均年収
- イラストレーターのキャリアパス
- 働き方・職場を変える
- 専門性を高める
- 他のクリエイター職種にキャリアチェンジする
- まとめ
イラストレーターとは
イラストレーターと聞いて、皆さんはどのような仕事を想像しますか?
その名前から、イラストに携わる職業であることは分かっていても、どのような仕事をするのか具体的なイメージは持てていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、イラストレーターの仕事内容や持っていると優位な資格、働き方などについて詳しく解説します。イラストレーターに興味がある人はぜひチェックしてみてください。
イラストレーターの仕事の流れ
イラストレーターの仕事は、クライアントからの依頼に応じてイラストを提供することです。以下では、一般的な仕事の流れと各工程について解説します。
クライアントから依頼を受ける
まず、クライアントから依頼を受けます。既に取引のある会社から追加でイラスト制作の依頼を受ける以外にも、過去の作品・ポートフォリオを見たクライアントから新規での依頼を受けたり、クラウドソーシングサイトを通して依頼を受けることもあります。
要望のヒアリング
詳しい要望のヒアリングをして、クライアントの持つイメージと今回制作するイラストのイメージをすり合わせます。イラストの雰囲気やカラーなどを具体的にクライアントから指定される場合とざっくりとしたイメージだけを伝えられる場合があります。
このタイミングで、納品形式や金額面、スケジュールの調整等も行います。
ラフ案提出
ヒアリングをもとに方向性が固まったら、大まかなラフ案(デザインサンプル)をいくつか制作し、クライアントに提出します。そして、クライアントがラフ案を確認して修正点を挙げ、イラストレーターがラフ案を修正しクライアントに再提出するという一連の流れを何度か繰り返します。
制作
クライアントからラフ案にOKが出たら、実際のイラスト制作に入ります。まず下絵を制作し、その後着色を加えてイラストを完成させます。また、イラストを描く方法は様々ですが、現在はデジタル作画が主流です。
納品
クライアントにイラストの最終チェックをしてもらい問題がなければ、納品をして完了です。
イラストの種類
イラストレーターが制作するイラストの種類は多岐にわたります。具体的にどのようなイラストを制作するのか以下で見ていきましょう。
雑誌の表紙
情報誌やファッション誌、料理関連雑誌などの表紙で使用するイラストの制作です。雑誌にはそれぞれの世界観があり、企画の趣旨やターゲットも明確のため、それぞれの雑誌に合ったイラストを描き分けることが求められます。
また、雑誌の表紙はイラストレーターのなかでも花形とされており、能力の高いイラストレーターでないと案件獲得、制作するのが難しいと言われています。
小説の挿絵
推理小説やライトノベルなど、小説の挿絵の制作です。一般的に小説の挿絵は、読者を惹きつけたり、ストーリーの理解を促すために使われています。そのため、挿絵の制作には、小説全体のストーリーの理解が不可欠です。その上で、小説の世界観を表現するイラストを描くことが求められます。
スタンプ
コミュニケーションアプリ「LINE」で使えるスタンプの制作です。近年は、LINEスタンプ制作を専門とする企業やフリーランスで活動するイラストレーターもいます。また、LINEクリエイターズマーケットで販売されているクリエイターズスタンプは、審査を通れば誰でも販売可能なので、副業や趣味として制作・販売することできます。
ソーシャルゲームのイラスト・背景
スマートフォンの普及により増えているのが、ソーシャルゲーム(SNS上で提供されるオンラインゲーム)のイラストの制作です。ゲームに登場するキャラクターやアイテム、背景など、ゲームの世界観に合わせてイラストを描きます。
新しいゲームやキャラクターは次々と生み出されているため需要が高く、経験が浅いイラストレーターでも案件の獲得がしやすいと傾向にあります。
商品パッケージ
商品パッケージもイラストレーターが制作するイラストのうちの一つです。商品パッケージにより商品の売上が左右することもあるので、機能的な要素だけでなく、消費者の購買意欲を高める要素を取り入れたイラストを描く必要があります。
消費者心理の知識を持っていると、消費者が手に取りたくなるような魅力的な商品パッケージの制作に役立ちます。
ポスター
映画やイベントのポスター、企業宣伝用のポスターなどのイラスト制作です。クライアントがそのポスターにより与えたいイメージやターゲットなどを考えて、イラストで表現します。
クライアントが複数の企業や個人のイラストレーターに依頼をし、コンペ形式で受注が決定するケースもあります。
イラストレーターに求められるスキルや知識
イラストレーターは、創造力やセンスといったクリエイティブ的な才能が重要というイメージが強いかもしれません。ただし、クライアントの要望に合った成果物を生み出すためには、クリエイティブ的な要素に限らず幅広いスキルや知識が必要です。
以下で、イラストレーターに求められるスキルや知識について確認しましょう。
コミュニケーションスキル
イラストレーターは、クライアントからの依頼やヒアリングした内容に沿ってイラストを制作します。また、イラスト制作にはディレクターやグラフィックデザイナーなど様々な職種の人が携わるので、イラストレーターには立場や職種の異なる人とやり取りをしながら円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションスキルが必要です。
画力やデッサン力
イラストレーターは絵を描く仕事なので、高い画力やデッサン力を持っていることが大前提です。ただし、自分の描きたい絵や好きな絵だけが上手なのでは不十分で、あくまでもクライアントの要望をイラストに再現する能力が求められます。
また、クライアントの要望に応じて複数のタッチを使い分けられると、より幅広いイラスト制作に携わることができます。
オリジナリティ
世の中にはたくさんのイラストレーターが存在するので、そのなかで選ばれるイラストレーターになるためには、オリジナリティがポイントです。
自分らしさが表現されたイラストは人を惹きつける力があるため、オリジナリティを追求し自分にしか描けないイラストを描くことで、需要の高いイラストレーターになることができるでしょう。
デザインソフトのスキル
近年、イラストはデータ形式で納品することが多く、デザインソフトを使ってイラストを描くのが一般的です。そのため、Adobe社のPhotoshopやIllustratorなど、代表的なソフトを使いこなせるスキルが必要です。
読解力や表現力
イラストレーターには、クライアントの依頼内容を正確に把握する読解力と、その依頼内容をイラストに再現する表現力も求められます。
ヒアリングやラフ案の提出を繰り返して、クライアントの持つイメージとイラストを近づけることも可能ではありますが、莫大な時間を要してしまいます。そのため、決められた納期のなかでクライアントのイメージの要望に合ったイラストを作るためには、イラストレーターがそもそもの依頼内容を正確に把握し、再現する力を持っていなくてはいけません。
自分を売り込む積極性
フリーランスや副業でイラストレーターをしている人の場合、案件の獲得を自分で行うことになります。そのため、自分のイラストがマッチしそうなクライアントを自分で見つけ、自分を売り込む積極性が重要です。自分を売り込む際には、オリジナリティをアピールできるポートフォリオがあると説得力が高くなります。
イラストレーターとして持っていると優位な資格
イラストレーターになるために資格は必須ではありませんが、資格を持っていることで就職活動や転職活動においてプラスに働く場合があります。また、資格取得の勉強を通して効率的に知識やスキルを身につけることができるため、これからイラストレーターになりたい人やイラストレーターとしてスキルアップしたい人は資格取得を目指すのもおすすめです。
以下では、イラストレーターが持っていると優位な資格をご紹介します。
Photoshopクリエイター能力認定試験
Photoshopの操作スキルやグラフィックコンテンツの制作能力を測定する試験です。スタンダードとエキスパートの2種類から、自身のレベルに合わせた試験を受けることができます。
試験内容は、提示されたテーマや素材、仕様に沿って1つのコンテンツを制作する実践的なもので、この資格を取得することで、実務にも役立つスキルを証明することができます。
Illustratorクリエイター能力認定試験
Illustratorを活用して描画作成や文字編集などの機能を活用する能力を測定する試験です。Photoshopクリエイター能力認定試験と同様にスタンダードとエキスパートの2種類があります。
Illustratorは、Photoshopと並んでイラストレーターの仕事に欠かせないデザインソフトなので、この試験に合格することで得た知識やスキルが役立つ場面は多いと言えます。
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)
アドビ認定プロフェッショナルは、PhotoshopとIllustratorを販売するアドビ社公認の国際認定資格です。イラストレーターに限らず、Webデザインやサイト制作における基礎知識を身に付けることができるので、新人クリエイターや学生が最初に挑戦するのにおすすめの資格です。
色彩検定
色彩検定とは、公益財団法人色彩検定協会が実施する検定で、色に関する幅広い知識や技能を測定します。色について体系的な知識や技能を身に付けることで、イラストの配色を決める時に役立たせたり、イラストレーターとしてスキルアップすることが可能です。
試験は4つの級に分かれていて、実務経験や学歴などの受験資格がなく誰でも受験することができます。
CGクリエイター検定
CGクリエイター検定とは、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施していて、CG制作や映像制作のスキルを認定する検定です。2次元・3次元CGにおける表現の基礎知識から表現技術など、CGに関する幅広い内容が出題されます。
近年は、イラストレーターでもCG技術を扱うことがあるため、CGクリエイター検定を取得することで、より活躍の場を広げることができるでしょう。
イラストレーターとしての働き方
続いては、イラストレーターとしての働き方で代表的なものを5つご紹介します。
「安定した収入を得たい」「スキルアップしたい」「時間に縛られず働きたい」など、仕事に何を求めるかは人により様々です。以下、働き方を選択する際の参考にしてみてください。
フリーランス
イラストレーターは、基本的にPCがあれば1人でも作業できる仕事のため、フリーランスで働く人が多い職種です。フリーランスは時間や場所に縛られず働けることが魅力ですが、案件獲得やスケジュール管理をすべて自分で行う必要があるので、大変な一面もあります。
さらに、フリーランスは個人の能力が試されるので、未経験からいきなりフリーランスとして働くのは難しいでしょう。ただし、経験や実績を積んでからであれば、会社員より高い収入を得られる可能性も十分にあります。
ゲーム会社
ソーシャルゲームの人気に伴い、ゲーム会社ではイラストレーターの需要が高まっています。
キャラクターデザインやアイテム、背景などの全体に携わるケースと部分ごとに分担されているケースがあり、実際の作業内容や進め方も企業により異なります。そのため、ゲームのなかでもどのようなイラスト制作に携わりたいか決まっている人は、担当部分や仕事の進め方の詳細を事前に確認しておきましょう。
副業
イラストレーターは、規模が小さい案件も多く、副業として始めやすい仕事です。最初は規模が小さい案件でも、クライアントから制作物が評価されることで、より規模が大きい案件を依頼されたり、継続的に依頼を受けられるようになるケースもあります。
現在は別の仕事をしていて、これからイラストレーターを目指す人は、まずは副業で案件をこなし経験や実績を積むことで、イラストレーターとしての選択肢を広げることができるでしょう。
デザイン事務所
イラストレーターには、デザイン事務所で働く選択肢もあります。ただし、デザイン事務所の場合、デザイナーとして募集をしているケースも多いので注意が必要です。デザイナーとしての募集だと、WebやDTPなどの幅広い知識やスキルが求められるので、イラストレーターとしての募集と比較すると難易度が高くなります。
一方で、デザイン事務所は幅広いスキルが身につく環境でもあるので、イラストレーターとしてだけでなく、クリエイターとして活動の幅を広げていきたい人にはおすすめの働き方です。
派遣
イラストレーターとして、自身のスキルを活かしながら安定的に収入を得たい人には、派遣がおすすめです。
派遣は業務内容を明確に定めた上で雇用契約を結ぶため、「イラストレーターの仕事がしたくて入社を決めたのに、実際には絵を描くことよりWebデザインの仕事が多かった。」といったことが起こる心配がありません。
また、派遣先企業で受注した案件を割り当てられるため、案件獲得に苦戦することもなく、働いた時間分が給与に反映されます。このことから、経済的にも安心の働き方と言えます。
未経験でもイラストレーターになれる?
イラストレーターに求められるのは、「クライアントがイメージするイラストを制作する能力」なので、未経験でもイラストレーターになることは可能です。
ただし、「クライアントがイメージするイラスト制作する能力」を持っているかを判断するための要素の一つとして”経験”があるのも事実です。そのため、未経験からイラストレーターになる場合は、先述したイラストレーターが持っていると優位な資格や、作風が伝わるポートフォリオといった他の要素で、自身の能力をアピールしましょう。
イラストレーターの平均年収
企業で働くイラストレーターの平均年収は、350~450万円程度と言われています。この平均年収は、WebデザイナーやWebディレクターといった他のクリエイター職と比較すると多少低い傾向にありますが、日本の全職種の平均年収と比較すると決して低くない数字です。
一方、フリーランスや副業の場合、「イラスト1枚◯円」という形で仕事を受けるケースがほとんどなので、個人の実力による受注単価・受注量などにより年収が大きく変動します。
イラストレーターのキャリアパス
イラストレーターは専門性が高い上に、経験を積むことで幅広い知識・スキルを身につけられるため、キャリアパスは様々です。
自分の理想とするキャリアパスを歩むために、自分のやりたいこととキャリアのゴールを考え、そこから逆算してその時々の働き方を決定すると良いでしょう。
働き方・職場を変える
副業から本業への転換や、会社員・派遣からフリーランスとしての独立、事業会社への転職など、働き方や職場を変えて経験を積むキャリアパスがあります。働き方や職場により身に付けられる知識・スキルも異なるので、新しい環境に身を置くことはスキルアップに繋がります。
専門性を高める
専門分野に特化したイラストレーターになるキャリアパスです。例えば、医療系の学術論文や教科書に使われる解剖図・イラストなどに特化した「メディカルイラストレーター」や、工業製品のマニュアルで使われる製品・部品の立体図の作成に特化した「メディカルイラストレーター」などがあります。
他のクリエイター職種にキャリアチェンジする
WebデザイナーやWebディレクター、アニメーターなどの他のクリエイターの職種にキャリアチェンジするキャリアパスです。イラストレーターとして経験を積みながら、Webに関する幅広い分野の知識やスキルを身に付けることで、他の職種への挑戦など様々なキャリアパスがでてきます。
まとめ
本記事では、イラストレーターの仕事の流れや求められるスキル・知識、キャリアパスなどについてお伝えしました。
イラストレーターの魅力はなんといっても「自分の好きなことを仕事にできる」という点です。また、自身が作成したイラストを通じてメッセージを伝えられたり、クライアントに喜んでもらえたときには大きなやりがいを感じられるでしょう。
絵を描くことが好きという気持ちは誰にでもあるものでもないので、絵を描くことが好きで仕事にしていきたい人はぜひチャレンジしてみてください。
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