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スクレイピングとは?活用メリットや法律上の問題とあわせて初心者におすすめのツール3選も解説!
目次
- スクレイピングとは
- クローリングとの違い
- スクレイピングの活用メリット
- Webデータの収集が効率的にできる
- 収集できるデータの幅が広い
- 最新情報の入手ができる
- データに基づいた迅速な対応ができる
- スクレイピングの法律上の問題点
- サーバー負荷の問題
- 著作権
- 個人情報の取扱
- 利用規約
- スクレイピングの活用場面
- 市場調査
- 製品価格情報の収集
- SEO対策
- 不動産情報の収集
- 金融データの収集
- 営業リスト作成
- ニュース&コンテンツ監視
- マーケティング情報の収集
- 研究データの収集
- ブランドモニタリング
- スクレイピングで活用されるプログラミング用語
- Python
- Ruby
- Java
- PHP
- Golang
- JavaScript
- 初心者におすすめのスクレイピングツール3選
- 1.WebHarvy
- 2.Octoparse
- 3.ParseHub
- ルールを守ってスクレイピングは行うことが大切
スクレイピングとは、Webサイトから自動でデータを収集し、ビジネスや研究に応用できる技術のことをいいます。便利な技術なため、市場調査やSEO対策、営業リストの作成など幅広い分野で活用されていますが、法的な問題には注意が必要です。本記事では、スクレイピングの基礎から活用メリット、法律上のリスク、さらに初心者向けのツール3選まで詳しく解説していきます。スクレイピング技術を上手く活用し、効率的な情報収集を実現しましょう。
スクレイピングとは
インターネットが日常の一部となった現代では、膨大な情報がオンライン上に存在しています。これらの情報を自動で収集し、整理する技術として注目を集めているのが「スクレイピング」です。
スクレイピングは、英語のscraping(こする、ひっかき)に由来しており、特定のWebサイトからデータを収集し、それを加工して利用する技術のことをいいます。たとえば、ある商品の価格や口コミを複数のサイトから集め、一つのデータベースにまとめるといった使い方が代表例です。
スクレイピングの技術は特に、ビジネスや研究の分野で広く活用されており、効率的にWeb上の情報を収集し、分析するための手法として非常に重要な役割を果たしています。しかし、その一方で、法律上の問題や倫理的な課題も多く存在しているため、行う際には注意が必要です。
クローリングとの違い
スクレイピングとよく混同されがちな用語に「クローリング」がありますが、これらは似て非なるものです。クローリングは、サイトクローラーとよばれるロボットが、Web上のページを自動で巡回して情報を収集する行為を指します。検索エンジンのロボットがクローリングを行い、Webページの内容をインデックス化するのが典型例です。
一方、スクレイピングは、クローリングで収集した情報をさらに精査し、特定のデータを抜き出して活用する技術を指します。つまり、クローリングは情報を「Webサイト全体の情報を集める」行為であり、スクレイピングは集めた情報の中から「必要な情報のみを抽出した後加工して利用する」行為だといえます。
スクレイピングの活用メリット
スクレイピングは、上手く活用することでさまざまなメリットを得られます。具体的にどのようなメリットがあるのか、以下より見ていきましょう。
Webデータの収集が効率的にできる
通常、Webサイトから必要な情報を手動で収集しようとすると、大量の時間と労力がかかります。しかし、スクレイピングを利用することで、プログラムが自動的にデータを収集してくれるため、人手と時間をかけずに膨大なデータを効率よく集めることが可能です。
特に、競合他社の動向や市場トレンドを把握を目的とし、定期的な情報更新をしていく際に、スクレイピングは非常に有効です。
収集できるデータの幅が広い
スクレイピングでは、テキストデータだけでなく、画像、動画、ファイルリンクなど、さまざまな形式のデータを収集できます。また、複数のサイトから異なる形式のデータをまとめて一元化することができるため、データ分析や研究を行う際には非常に役立ちます。
たとえば、Eコマースサイトから価格情報を集めたり、ニュースサイトから最新の記事を収集したりと、幅広い用途に対応可能です。
最新情報の入手ができる
インターネット上の情報は、常に変化をしています。新しい商品がリリースされたり、価格が変更されたりするため、リアルタイムでのデータ取得が重要です。
そういった場合、スクレイピングを使うことで、定期的にサイトをチェックし、最新の情報をすぐに収集することができます。これにより、マーケティングや市場調査、製品開発に役立つ有益な情報をいち早くキャッチできます。
データに基づいた迅速な対応ができる
スクレイピングを活用することで、収集したデータをリアルタイムで分析し、迅速な意思決定や対応が可能になります。たとえば、ECサイトの価格変動を自動で監視し、競合他社よりも有利な価格設定を行ったり、ソーシャルメディア上でのブランド評価をリアルタイムに追跡して改善策を講じることができます。
データに基づいた意思決定は、ビジネスにおいて競争優位性を保つ上で欠かせない要素です。
スクレイピングの法律上の問題点
スクレイピングは便利なツールですが、その利用には慎重さが必要です。特に法律面での問題が大きく、無許可でのスクレイピングは法的リスクを伴います。
予期せぬトラブルを防ぐためにも、スクレイピングを行う前には、考慮すべき主要な法律上の問題点を理解しておくことが大切です。スクレイピングの法律上の問題点には、以下のようなものが挙げられます。
サーバー負荷の問題
スクレイピングの最大の問題の一つが、対象のWebサイトに対する過度なサーバー負荷です。大量のリクエストを送信してデータを収集することで、Webサイトのサーバーに過剰な負担をかける場合があります。
これが原因でサーバーがダウンする可能性があり、サイト運営者に損害を与えることもあります。こうした状況を避けるためにも、適切な頻度でリクエストを送信するといった、倫理的なスクレイピングの実行が求められます。
著作権
Web上のコンテンツには著作権が存在する場合が多いため、その情報を無断で使用することは著作権侵害となる可能性があります。特に、ニュース記事やクリエイティブコンテンツをスクレイピングする際には、その情報がどのように保護されているかを確認し、必要に応じて許可を取得しなければなりません。
スクレイピングで取得したデータを商業目的で使用する際には、慎重な対応が求められます。
個人情報の取扱
スクレイピングでは、個人情報を本人の許可なく取得・公開・売買する行為は禁止されています。そのため、スクレイピングによって収集されたデータが個人情報を含んでいる場合、その取扱には厳重な注意が必要です。
たとえば、名前や住所、メールアドレスなどの個人情報を無断で収集し、使用することは個人情報保護法に抵触する恐れがあります。これに違反した場合、罰則を受けるリスクがあるため、個人情報を含むデータのスクレイピングには細心の注意を払うべきといえるでしょう。
利用規約
多くのWebサイトには、利用規約の中でスクレイピングの禁止を明記している場合があります。このようなサイトから無断でデータを収集することは、契約違反とみなされる可能性があり、法的なトラブルに発展するリスクがあります。
そのため、スクレイピングを行う前に、必ず対象サイトの利用規約を確認し、スクレイピングが許可されているかどうかを確認することが重要です。
スクレイピングの活用場面
スクレイピングは、多岐にわたる分野で活用されており、その応用範囲は非常に広いものです。ここでは、代表的なスクレイピングの利用シーンについて解説します。
市場調査
競合他社の価格動向や商品レビューなどを収集し、データに基づいた市場調査を行うことで、ビジネス戦略をより効果的に立てることが可能です。市場調査におけるスクレイピングの活用は、製品開発やマーケティング施策の改善に大いに役立ちます。
製品価格情報の収集
複数のオンラインストアから製品の価格情報を収集し、価格比較サイトを運営したり、自社製品の価格設定に活用したりできます。競合他社の価格変動をリアルタイムで監視することで、適切な価格戦略を立てることが可能になります。
SEO対策
WebサイトのSEO(検索エンジン最適化)においても、スクレイピングは有効です。競合サイトのSEO戦略や、キーワードランキング、バックリンクの状況を把握するために、スクレイピングは活用されています。
自社サイトの検索順位が何位なのか明確にわかるため、自社サイトのSEO施策を強化し、検索順位を向上させることも可能です。
不動産情報の収集
不動産業界では、最新の物件情報を素早く取得することが重要です。スクレイピングを活用することで、複数の不動産サイトから新着物件情報や空室率、資産価評価などを自動で収集し、効率的に市場を把握できます。これにより、競争の激しい不動産市場での競争優位性を保つことが可能です。
金融データの収集
金融市場において、株価や為替レート、ニュースなどのデータは常に変動しています。スクレイピングを使うことで、企業の財務データや株価情報などの最新データを迅速に取得し、トレード戦略や投資判断に役立てられます。
営業リスト作成
スクレイピングを利用すれば、企業の連絡先や代表者情報をWebから自動で収集し、営業活動に必要なリストを作成することも可能です。短時間で大量のリストを生成でき、営業活動の効率を大幅に向上させることができます。
ニュース&コンテンツ監視
特定のニュースやブログ記事、ソーシャルメディアの投稿などを監視し、必要な情報をリアルタイム収集することが可能です。実例でいうなれば、オンライン世論調査や企業のブランドモニタリングなどに活用されています。
特に、特定のテーマに関する最新情報をいち早くキャッチする方法として、スクレイピングは有効です。
マーケティング情報の収集
マーケティング施策の効果を測定するために、ソーシャルメディア上でのブランド評価や、消費者の反応をリアルタイムで追跡できます。従来であれば2〜3日程度かかっていた行程が、スクレイピングが誕生したことにより、分析までを含めて2時間程度で完了できるようになりました。
マーケティングにおける全体の作業効率を向上させ、次の施策に活かせます。
研究データの収集
学術研究やビジネスリサーチにおいても、スクレイピングは重要なツールです。データが公開されているが整備されていない場合、スクレイピングを使ってデータを収集・整理することで、研究活動の質を向上させることができます。
ブランドモニタリング
オンライン上での自社ブランドや製品の評価を監視するためにも、スクレイピングは有効です。特に、SNSやレビューサイトからブランドに関するコメントを収集し、顧客の声を分析することで、製品やサービスの改善に役立てられます。
スクレイピングで活用されるプログラミング用語
スクレイピングは、いくつかのプログラミング言語を活用して行われます。ここからは、実際のスクレイピングで活用されている、代表的なプログラミング言語を見ていきましょう。
Python
Pythonは、シンプルな文法と豊富なライブラリが特徴で、スクレイピングに最もよく使われる言語です。特に、BeautifulSoupやSelenium、Scrapyといった強力なライブラリが用意されており、初心者でも比較的簡単にスクレイピングを始めることができます。
Ruby
Rubyは、Python同様に扱いやすく、スクレイピングに向いている言語です。RubyにはNokogiriという強力なスクレイピングライブラリがあり、これを使えば簡単にHTMLやXMLデータを解析して必要な情報を抽出できます。
Java
Javaは、大規模なプロジェクトでよく使われる言語で、スクレイピングにも適しています。特に、WebDriverやJsoupといったライブラリを活用することで、効率的にデータを収集することが可能です。
PHP
PHPは、Web開発に特化した言語で、特に動的なWebページからデータを収集する際に役立ちます。PHPにはcURLやSimple HTML DOM Parserといったライブラリがあり、スクレイピングを簡単に実装できます。
Golang
Golangは、Googleが開発した高速で効率的なプログラミング言語です。並行処理に優れているため、大量のリクエストを効率よく処理する必要があるスクレイピングに適しています。
JavaScript
JavaScriptは、Webブラウザで動作する言語であり、クライアントサイドでのスクレイピングに向いています。Node.jsを使えば、サーバーサイドでのスクレイピングもでき、CheerioやPuppeteerといったライブラリを活用することで、強力なスクレイピングツールの作成が可能です。
初心者におすすめのスクレイピングツール3選
スクレイピングは、プログラミングの知識があると効果的に行うことができますが、近年では初心者でも使いやすいツールがいくつか誕生しています。以下より、初心者におすすめのスクレイピングツールを3選紹介していくので、スクレイピング初心者という人は、参考にしてみてください。
1.WebHarvy
WebHarvyは、プログラミング不要で簡単にスクレイピングができるツールです。直感的なUIを持っており、指定したWebページから必要なデータをクリック操作だけで収集できます。初心者でも使いやすく、Eコマースやマーケットリサーチに最適です。
2.Octoparse
Octoparseは、ドラッグ&ドロップでスクレイピングワークフローを作成できるツールです。初心者から上級者まで幅広く使える機能を備えており、特に大量のデータを収集する際に便利です。また、クラウドベースでの実行が可能なため、複数のデバイスからデータにアクセスできます。
3.ParseHub
ParseHubは、動的なWebサイトからデータを収集するのに強力なツールです。JavaScriptで生成されたコンテンツも取得可能で、使い方も簡単です。WebHarvyやOctoparseと同様に、プログラミングの知識がなくても使いこなせる点が魅力になります。
ルールを守ってスクレイピングは行うことが大切
スクレイピングは、ビジネスや研究において非常に効果的なツールです。適切に活用すれば、膨大なデータを効率的に収集し、業務の効率化や市場分析など、さまざまなメリットを得られます。
しかし、スクレイピングを行う際には、法的リスクや倫理的な問題を十分に考慮しなければなりません。ルールを遵守しながらスクレイピングを行うことで、長期的に信頼性のあるデータ取得が可能となり、ビジネスや研究に大きく貢献できるでしょう。
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