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雇用安定措置とは?対象となる派遣社員や4つの措置、派遣元・派遣先の対応をやさしく解説

雇用安定措置とは?対象となる派遣社員や4つの措置、派遣元・派遣先の対応をやさしく解説

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派遣社員として働く中で、同じ職場で働ける期間や今後の雇用について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。労働者派遣法には、派遣社員が安心して働き続けられるよう雇用安定措置が定められています。本記事では、その制度の基礎知識や対象者、4つの具体的な措置内容、派遣元・派遣先双方に求められる対応をわかりやすく整理して解説します。将来の働き方を考える参考としてぜひご活用ください。

雇用安定措置とは?派遣社員の雇用を守るための制度

雇用安定措置とは?派遣社員の雇用を守るための制度

雇用安定措置は、派遣社員の雇用の安定とキャリア形成を図るために法律で義務付けられた仕組みです。まずは、この制度がなぜ設けられたのか、どのような目的や背景があるのかについて基本的なポイントを見ていきましょう。働く方と受け入れる企業の双方が正しく理解しておくことが重要です。

雇用安定措置が設けられた目的

派遣社員が派遣期間の満了によって突然職を失う事態を防ぎ、継続して働ける環境を整えることが目的です。キャリアや生活の安定を守るため、派遣元事業主に対して次の雇用先確保などの具体的な支援を行うよう求めています。安心して能力を発揮し続けられる基盤を作るための制度設計となっています。

雇用安定措置と労働者派遣法の関係

労働者派遣法第30条において、派遣元事業主が講ずべき義務または努力義務として明確に規定されています。派遣会社は法律の定めに従い、条件に該当する派遣社員に対して適切な措置を講じなければなりません。法令を遵守することで、派遣社員の権利保護と適正な雇用環境の維持が両立されています。

雇用安定措置が導入された背景

2015年の労働者派遣法改正により、派遣期間の制限が見直されたことに伴って導入されました。専門業務ごとの区分が撤廃され期間制限が全業務へ拡大されたため、派遣社員の雇い止めを防ぎ、雇用をより手厚く保護する必要が生じたからです。情勢の変化に合わせて働く人の権利を守る工夫が図られました。

雇用安定措置と派遣の「3年ルール」の関係

派遣で働く際には、同じ職場で継続して働ける上限を定めた「3年ルール」が存在します。この期間制限と雇用安定措置は密接に関係しているため、ルールの仕組みや期間満了後の選択肢について確認していきましょう。あらかじめスケジュールを意識することで、スムーズな進路選択が可能になります。

派遣の3年ルールとは

有期雇用の派遣社員が同じ職場で働ける期間の上限を原則3年とする規制です。派遣労働の固定化を防ぎ、正社員化や雇用の安定を促す意図で設けられています。この3年を迎えるタイミングで雇用安定措置が必要となります。働く側にとっても次のステップを考える重要な節目といえるでしょう。

事業所単位と個人単位の期間制限

派遣先が派遣社員を受け入れられる上限である「事業所単位」と、派遣社員個人が同一の組織単位で働ける「個人単位」の2つがあります。個人単位では、同じ部署や課などの組織単位において最長3年までと定められています。部署を異動すれば新たに起算される場合もあるため注意が必要です。

派遣期間が終了した後も働き続けたい場合の対応

派遣期間の上限を迎えた後も継続就業を希望する場合、派遣会社へその意思を伝えます。派遣会社は希望を受け止め、派遣先への直接雇用の依頼や新しい派遣先の紹介など、法律で定められた措置を進める流れとなります。早めに担当者へ相談を持ちかけることが、希望に沿った選択への近道です。

雇用安定措置の対象となる派遣社員

雇用安定措置とは?派遣社員の雇用を守るための制度

雇用安定措置はすべての派遣社員に一律で適用されるわけではなく、就業期間や契約形態によって義務の重さが異なります。どのような方が対象となり、どのような場合に除外されるのかを整理して解説します。自身の雇用形態や勤務期間と照らし合わせながら確認してみてください。

派遣元に措置の実施義務が生じるケース

同一の組織単位に継続して、3年間派遣される見込みがある有期雇用派遣社員が対象です。本人が派遣終了後も継続して働くことを希望している場合、派遣元事業主には雇用安定措置を講じる法的義務が発生します。条件を満たしていれば派遣会社側が一方的に対応を免れることは認められていません。

努力義務となるケース

同一の組織単位での派遣就業が、1年以上3年未満となる見込みの派遣社員が対象です。この場合は法律上の義務ではなく努力義務にとどまりますが、派遣会社はできる限り継続雇用のための支援を行うよう努める必要があります。キャリア継続を支援するため、積極的な対応が推奨されている領域です。

無期雇用派遣社員や60歳以上の派遣社員は対象外

派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結んでいる無期雇用派遣社員は、雇い止めのリスクがないため対象から外れます。また、定年後の再雇用に配慮する観点などから、60歳以上の派遣社員も適用除外になります。制度の趣旨に基づき、保護が必要な有期雇用者を中心に対象が絞られているのが特徴です。

派遣社員が継続就業を希望しない場合の取り扱い

本人が期間満了に伴って契約終了を望み、継続して働く意思がない場合は措置を実施する必要はありません。ただし、派遣会社はトラブルを防止するため、本人の意思を面談や書面等で事前にしっかり確認しておくことが大切です。双方が納得した上で合意を交わしておく配慮が欠かせません。

雇用安定措置として定められている4つの対応

雇用安定措置として定められている4つの対応

法律では、派遣社員の雇用を守るために4つの具体的な措置を定めています。派遣元はいずれかの措置を講じる必要があり、それぞれ内容や条件が異なるため、1つずつ詳しく確認していきましょう。それぞれの特徴を正しく把握することで、ご自身に合った選択肢を見極めやすくなります。

1.派遣先に直接雇用を依頼する

3年間勤務した派遣先企業に対して、派遣社員を直接雇用するよう派遣元から依頼する措置です。ただし、派遣先に受け入れを法的に強制するものではないため、派遣先が断った場合は別の措置を講じる必要があります。これまでの実績を評価され、慣れ親しんだ職場で正社員などを目指せる好機ともいえるでしょう。

2.新しい派遣先を提供する

派遣元が保有する求人の中から、派遣社員の希望や能力に応じた別の派遣先を紹介する措置です。従来の雇用条件と大きくかけ離れず、本人が納得して働き続けられるような合理的な派遣先を提示することが求められます。これまでの実務経験を活かしながら、新たな環境で活躍する道が開けます。

3.派遣元で派遣労働者以外として無期雇用する

派遣会社自身が、自社の正社員や契約期間の定めのない内勤スタッフなどとして無期雇用する措置です。派遣先へ出向く形ではなく、派遣元企業の直接雇用として安定した身分で業務を継続できる点が特徴といえます。期間満了による離職リスクがなくなり、生活基盤を強固に築ける安心感があります。

4.教育訓練や紹介予定派遣などを実施する

無期雇用化や新たな就業を目的とした教育訓練の実施、または直接雇用を前提とする紹介予定派遣を提供する措置です。新たなキャリア形成を支援し、将来的に安定した雇用につながる実質的な内容でなければなりません。スキルアップを図りながら次のステップを目指すための前向きな支援策です。

新しい派遣先を提供するときの条件

新しい派遣先を提供するときの条件

新しい派遣先を提供する措置(2号措置)を選択する場合、単に仕事を紹介すればよいわけではありません。派遣社員が安心して移籍できるよう設定された、合理的な条件や配慮事項について見ていきましょう。不当な扱いを防ぐための基準がしっかりと法令で定められています。

派遣社員の能力や経験に合った合理的な仕事を提供する

提示する仕事は、これまでの業務実績や本人のスキルに見合った内容である必要があります。能力とかけ離れた業務や経験のない極端な職種を一方的に紹介することは、適切な措置とは認められないため注意を要します。本人のキャリアの連続性に配慮した誠実なマッチングが不可欠です。

勤務場所や労働条件にも配慮する

通勤時間や勤務地、給与水準、勤務時間帯などの労働条件が、従前の職場と比べて著しく不利益にならない配慮が求められます。本人の生活環境を無視した過度な遠隔地への配属提示などは、適切な提供とはみなされません。無理のない範囲で就業が続けられるよう、現実的な条件設定が求められます。

新しい派遣先で働くまで空白期間が生じる場合の対応

次の派遣先での就業開始までに一定の待機期間が生じる場合は、雇用関係を維持するか休業手当を支払うなどの対応が必要です。無給のまま長期間放置することは認められず、派遣社員の生活に支障が出ないよう保護されます。派遣期間の切れ目による経済的な困窮を防ぐ大切なルールです。

雇用安定措置を進める基本的な流れ

雇用安定措置を進める基本的な流れ

雇用安定措置は、派遣契約が終了する間際に突然行うものではありません。計画的に本人の希望を把握し、段階を踏んで進める必要があります。手続きの基本的なステップを確認していきましょう。全体の流れを事前に把握しておくことで、落ち着いて次の進路準備を進められます。

派遣社員の継続就業の希望を確認する

派遣期間が満了を迎える前に、派遣社員に対して今後の継続就業を希望するかどうかを確認します。本人のキャリアプランやライフスタイルに寄り添いながら、丁寧にヒアリングを実施することが重要な出発点です。希望条件や将来の方向性を率直に伝えることが、満足のいく結果につながります。

希望する措置の内容を確認・記録する

提示されている4つの措置のうち、本人がどの方法を第一に希望しているかを把握します。後々の認識の食い違いを防ぐため、面談記録や書面、データなどを活用して希望内容を正確に記録に残しておきます。双方が共通認識を持つことで、手続きの行き違いやトラブルを未然に防ぐことが可能です。

派遣元が適切な措置を検討して実施する

本人の希望や適性を考慮したうえで、派遣元企業が最も適した措置を具体的に進めます。派遣先への直接雇用の打診や求人の探索など、関係各所とスムーズに連携を取りながら迅速に行動することが求められます。担当者の手腕と丁寧なフォローが、雇用の継続において重要なポイントです。

最初の措置で雇用が決まらない場合は別の措置を講じる

最初に講じた措置で雇用継続に至らなかった場合、派遣元は別の措置へ移行しなければなりません。例えば派遣先から直接雇用を断られた際は、速やかに新たな派遣先の紹介などへ切り替えて雇用を確保します。一つの手段が不成立でも、諦めずに次の選択肢を進められる保護体制となっています。

派遣元企業に求められる対応

派遣元企業に求められる対応

派遣社員の雇用を守る主体である派遣元企業には、法令を遵守した適切な運用が強く求められます。トラブルを防ぎ円滑に措置を講じるために、派遣会社が実践すべき主要な実務対応を見ていきましょう。

派遣終了の直前ではなく早めに希望を確認する

契約終了の間際になってから確認を始めると、次の就業先を確保する時間が足りなくなります。余裕を持って対応を進めるため、派遣期間終了の数カ月前から計画的に本人の意思確認を行う姿勢が不可欠です。早期に動き出すことで、選択肢を広げてより良い条件の仕事を探しやすくなります。

派遣社員が希望する措置の実現に努める

本人が望む働き方を最大限尊重し、希望に沿った措置が実現するよう尽力します。派遣元の都合だけで一方的に措置内容を決めるのではなく、納得感のある合意形成を目指して丁寧に対話を重ねることが大切です。本人の意志をないがしろにした形式的な対応は避けなければなりません。

雇用安定措置の実施状況を派遣元管理台帳に記録する

どのような希望を聞き、どの措置を講じたかという一連の経緯を派遣元管理台帳に記載します。台帳への正確な記録と適切な期間の保管は法令上の義務であり、適正な労務管理を行う上でも欠かせない業務です。監査等の際にも提示できるよう、日常的な管理体制を整えておく必要があります。

直接雇用が成立しなかった場合も必要な対応を続ける

派遣先への打診が不成立に終わったとしても、そこで支援を終えてはなりません。派遣元には次の手段を講じる責任があるため、速やかに次の派遣先を提示するなど、雇用を守るための行動を継続して行います。最後まで寄り添い続ける姿勢こそが、派遣事業者に課された本来の責務です。

派遣先企業に求められる対応

派遣先企業に求められる対応

雇用安定措置の義務は主に派遣元に課されていますが、派遣先企業にも協力や配慮が法律で求められています。派遣社員を受け入れている企業側が果たすべき役割について整理していきましょう。派遣先が法令を正しく理解し協力することが、円滑な制度運用に直結します。

派遣元から直接雇用を依頼された場合に検討する

派遣元から直接雇用の依頼を受けた際、受け入れが可能かどうかを真摯に検討する姿勢が求められます。義務ではありませんが、業務への習熟度や貢献度を踏まえ、自社の戦力として採用を前向きに判断することが推奨されます。優秀な人材を逃さないためにも、採用のメリットを熟慮することが有益です。

募集情報を派遣社員へ周知する

同じ事業所で正社員や契約社員などの労働者を募集する場合、就業中の派遣社員へ情報を提供する配慮義務があります。派遣社員に対して広く自社の採用情報を知らせることで、直接雇用の機会を後押しします。職場の事情を知る即戦力人材に対して、門戸を開く有効なきっかけとなるのです。

派遣元と連携して契約や雇用条件を確認する

派遣元企業と定期的に情報共有を行い、派遣社員の抵触日や契約期間の残日数を正しく把握します。認識のズレを防ぎ、期間満了時に混乱が生じないよう日頃から綿密にコミュニケーションを図ることが重要です。法令違反を防ぐためにも、お互いの管理部署が密に連絡を取り合います。

直接雇用へ切り替える際の労働条件を明確にする

派遣社員を直接雇用することになった場合、賃金や勤務時間、雇用形態などの労働条件を分かりやすく提示します。事前の説明と実際の条件に食い違いが出ないよう、労働条件通知書等で明示することが欠かせません。条件のミスマッチによる早期離職を防ぐためにも、誠実な提示が不可欠です。

派遣先での直接雇用を検討するときのポイント

派遣先での直接雇用を検討するときのポイント

派遣先での直接雇用はキャリアの大きな転機となりますが、事前に把握しておくべき注意点も存在します。ミスマッチを防ぎ納得のいく選択をするために、確認しておきたい大切なポイントを解説します。雇用形態や待遇の変化を冷静に見極める視点を持つことが肝要です。

直接雇用は必ずしも正社員雇用とは限らない

直接雇用への切り替えは、正社員だけでなく契約社員やパート、嘱託社員などの形態も含まれます。正社員登用を前提と思い込まず、どのような契約形態で採用される予定なのかをあらかじめ確認することが大切です。将来的な更新の有無や無期転換の可能性についても、ここで見落とさず確認するようにしてください。

業務内容や待遇などの雇用条件を確認する

基本給や各種手当、賞与の有無、福利厚生などの待遇面を細かく確認しておきましょう。派遣社員時代と比べて待遇が低下しないか、任される業務範囲や責任の重さが適切かを総合的に見極める必要があります。交通費の支給基準や各種保険の加入状況なども事前に把握しておくべき項目です。

派遣契約の期間や契約内容を確認する

直接雇用へ移行する期日や、現在の派遣契約が満了する日を正確に把握しておく必要があります。双方の合意に基づき、二重契約などのトラブルが生じないよう適切なスケジュールで手続きを進めなければなりません。派遣会社との契約終了手続きも滞りなく完了させる必要があります。

派遣社員本人の希望を尊重する

企業の都合を一方的に押し付けるのではなく、本人が望む働き方やライフプランに合致しているかを確かめます。本人の同意があって初めて成立する契約であるため、双方が納得できるまで十分に対話を行うことが肝心です。無理な引き抜きや強引な契約変更は避けるべき行為といえます。

雇用安定措置が適切に行われない場合はどうなる?

雇用安定措置が適切に行われない場合はどうなる?

もし派遣元や派遣先が法令に沿った対応を怠った場合、どのような処置や影響が生じるのでしょうか。義務違反に対する行政指導や、依頼・提案を双方が断った場合の取り扱いについて詳しく解説します。万が一の事態に備えて、法的な救済措置や対応策を知っておくと安心です。

派遣元が義務を果たさない場合の行政上の対応

派遣元が義務である措置を怠った場合、労働局などの行政機関から指導や助言、是正勧告を受ける対象となります。悪質な違反を放置し続ければ企業名の公表にとどまらず、労働者派遣事業の許可取消処分に発展する可能性もあります。重大な法令違反とみなされるため、行政による監視や指導は厳格に行われるのです。

派遣先が直接雇用を断った場合の取り扱い

派遣先には直接雇用の依頼を受ける法的な義務はないため、採用を見送っても直接的な罰則を受けることはありません。ただし断られた場合、派遣元が責任を持って別の派遣先を提供するなどの代替措置へ移行します。断られたからといって雇用関係が直ちに打ち切られるわけではありません。

派遣社員が紹介された仕事を断った場合の取り扱い

派遣元が能力や希望に見合った合理的な仕事を提示したにもかかわらず、本人が正当な理由なく拒否した場合は義務違反になりません。派遣元が責任を果たしたとみなされ、そのまま契約終了となる可能性が生じます。条件を吟味しつつ、客観的に妥当な理由を持って判断することが求められます。

困ったときに相談できる窓口

措置が適切に行われない場合は、各都道府県の労働局や労働基準監督署、ハローワークなどの公的相談窓口へ相談できます。一人で悩みを抱え込まず、専門知識を持つ相談員へ早めに状況を伝えて助言を仰ぎましょう。適切なアドバイスを受けることで、トラブルの早期解決が期待できます。

まとめ

まとめ

雇用安定措置は、派遣社員が安定した環境で働き続けるために労働者派遣法で定められた大切な仕組みです。対象となる条件や講じられる4つの措置、それぞれの権利と義務を正しく知ることが安心につながります。期間満了が近づいたら派遣会社と早めに相談を重ね、納得のいくキャリア形成を目指していきましょう。周囲の支援や公的制度を上手に活用しながら、ご自身にとって最適な働き方を実現させてください。

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