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秘書の仕事とは?業務内容ややりがい・適している人を解説

秘書の仕事とは?業務内容ややりがい・適している人を解説

目次

秘書とは


「自分も秘書になれるのかな?」「秘書に憧れはあるけど大変なのかな?」などの疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

そもそも秘書とは、企業などの組織における上級管理者やリーダーに対して、あらゆるサポートや補助をする職種で、具体的な役割やサポートする人物は組織により異なります。また、秘書といえば女性をイメージする方が多いかもしれませんが、実は全体の約35%を男性が占めており、誰でも活躍できる職種です。

本記事では、秘書の仕事内容ややりがい、秘書になる方法などについて解説します。秘書に興味がある人はぜひ読んでみてください。

秘書の主な仕事内容


前提として、秘書の仕事内容は幅広く、組織や担当上司の方針・意向によっても任される範囲が異なります。とはいえ、主な仕事内容はどのような組織であっても共通して行われているので、以下でご紹介します。具体的にどこまでを秘書が対応するのかは、状況に応じて適宜判断すると良いでしょう。

スケジュール調整・管理

秘書の仕事の基本となるのが、担当上司のスケジュール調整・管理です。担当上司のスケジュールを常に把握し、次の予定を伝えたり、調整を行います。また、新しいアポイントが入った際には相手先と連絡を取り、対応可能な日程を確認したり、会議室の手配などをして準備をします。

万が一、アポイントの日程を間違えたり、ダブルブッキングをさせてしまうと、上司の信頼を損ねてしまうことになりかねません。そのため、毎日発生する業務であっても、スケジュール調整・管理は慎重に行う必要があります。

電話・メール・郵便物などの対応

担当上司宛の電話・メール・郵便物の対応をします。秘書がついている人の多くは役職が高く、様々な業務を抱えており、すべての連絡に対応することが難しいです。そのため、まずは秘書が一次対応を行い、担当上司に連携をするのか、秘書自身で対応するのかを判断します。秘書自身で対応する場合は、代理として先方とコミュニケーションをとり、その結果を担当上司に報告します。

来客対応

担当上司との打ち合わせなどでオフィスに来客があった際の対応も秘書の仕事です。一般的には、エントランスまで出迎えに行き、応接室に案内をします。場合によっては、その際に必要な書類等の準備をすることもあります。

文書作成・管理

担当上司が業務で使用する文書の作成や管理も秘書が行うケースが多いです。一口に文書と言ってもプレゼン資料や予算案などは各部門の担当者が作成します。そのため、基本的に秘書が作成するのは、書類を送る際の送付状や経費の精算書類などが中心となります。

また、担当上司が使用した文書は、必要となったときにすぐに取り出せるようにファイリングをしたり、データ整理をしておくことも大切です。

各種手配業務

担当上司が出張をする際には、新幹線・飛行機予約やホテル予約、取引先訪問時の手土産の準備といった手配をします。また、日常的にもタクシーや宅配便、年賀状などあらゆる手配業務を行います。

上司の社内業務のサポート

担当上司が円滑に仕事をできるように社内業務をサポートするもの秘書の大切な仕事です。例えば、担当上司の執務室の清掃や備品の調達をして環境を整えたり、社内対応の負担軽減のため他部署とのやり取りなどを行います。

具体的なサポート内容は組織や上司により異なるものの、担当上司の業務効率化のためにサポートすることは秘書の根本的な役割です。

秘書の実務レベルの段階分け


一般的に担当上司の役職が上がるほど、秘書に求められるスキル・能力も高度になっていきます。
そこで以下では、求められるレベル別に実務内容の違いをご紹介します。

基礎:秘書アシスタント

秘書アシスタントは、複数人で構成される秘書課や秘書室でアシスタントとして基本業務を担当します。具体的には、『秘書の主な仕事内容』で先述した仕事が中心となります。

初級:部長付秘書

部長付秘書は、基本業務に加え、担当上司の業務に関する文書の作成や予算管理、議事録の作成などが発生します。また、営業部の部長の場合、営業数値・計数管理も任されることがあります。

中級:役員付秘書

役員付秘書は、基本業務に加えて、株主総会の運営や経営資料作成、役員統括プロジェクト案件管理などが発生します。さらに、役員の担当領域によっては広報やPR業務を行うケースもあります。

上級:社長付秘書

社長付秘書になると、社長の代理として会社・事業説明を行ったり、社長主催イベントの運営を任されるなど、社外的な業務が多くなります。一方で、社長は取引先など社外に関係者が多いので、秘書としては慶弔時の電報やスピーチ原稿作成の機会が多くなります。

秘書のやりがい


仕事にやりがいを感じられると、高いパフォーマンスやより良い成果が期待できます。また、やりがいを感じていると不満も生まれにくいので、新しい仕事に挑戦するか迷っている人は、「その仕事でやりがいを感じられるか?」という視点で考えてみるのもおすすめです。

やりがいを感じるポイントや価値観は人それぞれですが、秘書として働く人は、主に以下のような点にやりがいを感じているようです。

人から感謝される機会が多い

担当上司や関係者から「ありがとう」と感謝の言葉を直接かけられる機会が多い点です。秘書は担当上司の一番そばにいて、厚い信頼を寄せられる存在です。日々の業務のなかで、たとえ些細なことでも感謝の言葉をかけられると、人の役に立てたこと実感し、モチベーションに繋がります。

一流のホスピタリティが身につく

役職についている担当上司と行動を共にするので、企業の代表や役員クラスの人と関わる機会が多く、一流のホスピタリティが身につきます。このような人として成長できる点もやりがいが感じられるポイントでしょう。

人脈が広がる

社内外の様々な人々と交流ができることにやりがいを感じる人も多くいます。一企業の会社員として働いていてはあまり出会う機会のないような企業の代表や役員クラスの人々と交流をすることで、自らの知見や人脈を広げることができます。

コミュニケーション能力が向上する

秘書の仕事にはコミュニケーション能力が欠かせません。幅広い業務を通して、ビジネスマナーや交渉力・折衝能力など、総合的なコミュニケーション能力を身につけることができる点もやりがいに感じられるでしょう。

判断力・調整力が身につく

忙しい担当上司をサポートする上で、イレギュラーな事態の発生は日常茶飯事です。そのような事態において臨機応変に判断し、関係者と調整をしていく力が身につくことも秘書のやりがいです。

事務処理能力が向上する

秘書は担当上司に代わって、あらゆる情報収集や資料作成をするので事務処理能力が向上します。また、突発的に発生する事務作業も多いので、自分のなかで優先順位をつけてこなしていくことに達成感があり、やりがいと感じる人もいるようです。

柔軟な対応ができるようになる

秘書は、ただ定型業務をこなしているだけでは不十分です。その時々の状況や担当上司と連携を取りながら、担当上司が円滑に仕事を進められるように柔軟な対応が求められます。柔軟さは、秘書に限らずすべての仕事に活かすことができるので、ビジネスパーソンとして成長でき、やりがいに繋がるでしょう。

秘書に適している人の特徴


秘書は、仕事内容が多岐にわたることから、様々な能力が求められます。では、秘書の適性がある人とはどのような人なのでしょうか。

人をサポートするのが好きな人

秘書は自分自身が表に立つのではなく、担当上司を陰でサポートする仕事です。そのため、人の役に立ったり、人に頼られたいという思いを持つ人は秘書に向いています。また、秘書は自分が利益を生み出すのではなく、担当上司のサポートをすることで間接的に利益に貢献する立場なので、その立場に意義を見いだせるとより適性があると言えるでしょう。

口の堅い人

秘書は責任のある立場の人をサポートするため、業務上で企業の機密情報に触れる可能性があります。万が一、機密情報を流出してしまうと、顧客の信用を失い、担当上司だけでなく企業にも大きな損害をもたらしてしまいます。そのため、社内の同僚や友人はもちろん、家族にも絶対に情報を漏らしてはいけません。

優先順位をつけて物事を処理していける人

秘書は幅広い業務を並行して行うので、優先順位をつけて物事を処理していける人が向いています。ただ依頼された順番に業務をこなしていては、担当上司から必要とされたときにサポートができなくなってしまう可能性があります。そのため、担当上司のスケジュールを踏まえて、何をいつまでに終わらせるべきか考え、てきぱきと業務を処理をしていくことが求められます。

細かな気遣いができる人

細かな気遣いができることも欠かせない要素です。秘書として活躍する人は、たとえ指示されてなくても、どうしたら担当上司が快適かつ円滑に仕事ができるかを自然に考えています。そのため、普段から他人に対して細かな気遣いができる人は秘書に向いているでしょう。

管理能力の高い人

秘書は担当上司のスケジュールや文書などを管理するので、管理能力の高さも重要です。人の業務に関する管理をするのは、自分のことよりも難しいものです。そのため、そもそも私生活でも自分のスケジュール・物事の管理が苦手という人が秘書として活躍するのは難しいでしょう。

メンタルの強い人

秘書は基本的に1日中上司と仕事をしているため、それをストレスに感じる人もいます。また、一部ではありますが、社長や役員のなかには秘書に強く当たってしまう人がいるのも事実です。たとえ強く当たられたり、怒られてしまっても、気持ちを切り替えて仕事に取り組めるメンタルの強さがあると良いでしょう。

秘書に適していない人の特徴


続いては、秘書に適していない人の特徴を6つご紹介します。簡単に言うと、『秘書に適している人の特徴』と反対の特徴を持つ人です。

守秘義務を守れない人

どんな仕事でも業務上知り得た内容に守秘義務が発生します。なかでも秘書は役職者のもとで働くので、重大な機密情報に触れる場面が多いです。そのため、守秘義務を守れない人に秘書の仕事は務まりません。

人に合わせることが嫌な人

担当上司のサポート役である秘書は、人に合わせるのが基本の仕事です。何事も自分の裁量で進めていきたい人には適していないでしょう。

融通が利かない人

突発的な事態が発生しがちな秘書は、その時々に応じて機転を利かせて対応できることが求められるので、融通が利かない人は適していないと言えます。

時間にルーズな人

ビジネスパーソンとして、時間を守るのは当たり前のことです。特に秘書は担当上司のスケジュール調整・管理をするので、時間にルーズな人には任せられません。

メンタルの弱い人

秘書は経営者や役職者との関わりが多いため、人によっては神経が張り詰められ、緊張状態が続くこともあります。そのため、メンタルが弱い人はつらいと感じてしまうかもしれません。メンタルの強さが不安な人は、必要以上に落ち込まず、気持ちの切り替えを心がけることがおすすめです。

パソコン操作や電話対応が苦手な人

秘書の仕事から、パソコン操作や電話対応は切っても切り離せません。ただし、これは経験を積んだり努力をすることで、改善できるものです。そのため、パソコン操作や電話対応が苦手だけど秘書に挑戦したい人は、自分の課題と捉えて重点的にスキルアップを図りましょう。

秘書にあると有利な資格


秘書になるために資格は必須ではありませんが、取得しておくことで就職・転職活動で有利に働く可能性があります。以下でご紹介する資格は、ビジネスパーソンとしての土台となるスキルを身に付けられるので、秘書はもちろん他の職種の人にも幅広くおすすめです。

秘書検定

秘書検定は、秘書に求められる知識やスキルを認定する検定で、難易度別に1級~3級に分かれています。3級と2級の試験では、一般常識や敬語の使い方、電話応対など、社会人としての一般常識やビジネスマナーに関する内容も含まれることから、学生にも人気の資格です。

一方で、準1級や1級になると、秘書としての対応力や判断力が求められるので、受験者は実務で秘書をしている人が多くなります。

ビジネス文書検定

ビジネス文書には、特有の言い回しや一定の型が使われます。それらを習得し、文書作成能力を身に付けることを目的とするのが、ビジネス文書検定です。

3級は指示を把握して文書作成ができるレベル、2級は単独で文書作成ができるレベル、1級は文書作成の指導ができるレベルです。1級は実技も問われるのでやや難易度が高いですが、自身のスキルアップに確実に役立つ資格と言えます。

ビジネス実務マナー検定

ビジネス実務マナー資格は、ビジネスパーソンとしての適切な判断力や行動力、コミュニケーション能力などを認定する検定です。ビジネス社会における基本ルールを身に付けられるので、実務はもちろん、就職・転職活動でも役立ちます。

また、この検定に合格したことで「自分の判断や行動に対して自信が持てるようになった」という声もあります。

サービス接遇検定

サービス接遇検定は、サービスに対する心構えや応対技術、立ち振る舞いなどを身に付けていることを認定する検定です。航空業界や旅行業界、医療業界など、様々な業界で役立ち、社員教育として活用する企業もあります。

すぐに業務で活かせる実用的な内容なので、サービス業などのホスピタリティが求められる仕事に携わる人、目指す人は挑戦してみると良いでしょう。

CBS(国際秘書)検定

CBSとは、Certified Bilingual Secretaryの略で、英語と日本語を使いこなしたコミュニケーション能力や実務処理能力が問われる試験です。CBS資格の受験資格を得るためには、まず準CBS資格を取得する必要があります。

CBS資格を取得することで、バイリンガルで仕事をするプロフェッショナルとしての実力を認められるので、外資系企業で秘書として活躍したい人に適した資格です。

TOEIC

TOIEC(トイック)は、英語によるコミュニケーション能力とビジネス能力を図る世界共通の試験です。テスト内容は、日常生活やビジネスシーンなどの実践的な場面が多く、英語系の資格のなかで代表的な資格の1つです。

また、テスト結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されます。平均点の600点程度(990満点中)を上回るスコアがあると、就職・転職活動でアピールできるでしょう。

秘書の年収目安


雇用形態や業務範囲、個人のスキルなどにより異なりますが、秘書の平均年収は350~400万円程度です。この金額は、日本の平均年収と比較すると低い傾向にありますが、一般的な事務職のなかではやや高いと言えます。

秘書として年収を上げたいのであれば、外資系企業で働くことを目指すと良いでしょう。外資系企業であれば、600~1000万円程度の年収を得られるケースもあります。ただし、英語力が欠かせないのと、秘書としてもより高いスキルが求められます。

秘書の将来性

近年の急激なIT化により、今後あらゆる仕事がAIに取って代わられると言われています。なかには「秘書の仕事もいずれなくなるのでは?」と不安に思う人いらっしゃるのではないでしょうか。

たしかにスケジュール管理など一部の業務は、人間よりAIのほうが正確かつスピーディーに対応できるかもしれません。しかし、秘書に求められるコミュニケーション能力や細やかな気配りは”人間ならでは”なので、秘書という仕事そのものがなくなる心配はないでしょう。

そして、秘書として長期的に活躍するためにも、この”人間ならでは”の能力の高さがポイントとなります。

未経験から秘書になるための方法


秘書は未経験からでも目指せる仕事です。ただし、どうしても経験者と比較すると転職活動の難易度は上がってしまうので、”ただやみくもに求人を探して応募”というのはおすすめできません。そこで、以下では未経験から秘書になるためにおすすめの方法をご紹介します。

未経験OKの仕事を探す

未経験から秘書になるのであれば、「未経験OK」と記載のある求人を探しましょう。ただし、正社員の求人はあまり多くないので、雇用形態にはこだわらない方が選択肢が広くなります。

そこでおすすめなのが、派遣です。派遣は未経験者を歓迎している秘書や秘書アシスタントの求人が多くあります。また、業務内容を明確に定めた上で契約を結ぶことから、自分の能力を過度に超えた業務を任される心配もなく、秘書としてのキャリアのスタートにぴったりです。まずは派遣で秘書としての経験を積むことで、ゆくゆく正社員に挑戦する選択肢も見えてきます。

資格を取得した後に転職活動をする

「未経験OK」の仕事に限定せず秘書を目指す場合は、資格を取得すると良いでしょう。資格は秘書に必要な一定の知識やスキルを持っている証明になるので、実務経験がなくても高く評価してもらえる可能性があります。具体的な資格については、先ほどご紹介した『秘書にあると有利な資格』を参考にしてみてください。

就職した企業での配置転換

秘書は、総合的なビジネススキルや細やかな気遣いが求められるでの、新卒で入社してそのまま秘書を任されるケースはほとんどありません。そのため、新卒入社の場合は、いきなり秘書を目指すのではなく、別の職種で就職した企業での配置転換を希望する方が現実的です。

また、中途入社の場合、採用された職種で働き続けるのが一般的なので、ゆくゆく秘書に配置転換を希望することを見据えているのであれば、中途入社者に配置転換の可能性があるのかを事前に確認しておきましょう。

一般企業以外の秘書になる方法

秘書の就業先は、一般企業の他にも弁護士事務所(弁護士秘書)や政治団体・議員事務所(議員秘書)、医療系法人(医療秘書)など様々です。

このような専門的な就業先での秘書は、秘書としての経験やスキルに加えて、その分野の専門知識が求められます。その分野や業界での就業経験があれば歓迎されますが、経験がない場合はまず最低限の知識を身に付ける必要があります。

まとめ

本記事では、秘書の仕事内容ややりがい、秘書になる方法などについて解説しました。

総合的なビジネススキルを身に付け、縁の下の力持ちとして組織に貢献していきたい方は、ぜひ秘書にチャレンジしてみると良いでしょう。また、現在秘書として働いている人も、この機会に将来なりたい姿から逆算してご自身のキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。

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