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データサイエンティストとは?仕事内容や主な3つの働き方とあわせて必要なスキルも解説!
目次
- データサイエンティストとは?
- データアナリストとの違い
- データエンジニアとの違い
- AIエンジニアとの違い
- データサイエンティストの仕事内容
- データ収集・企画・仮説立案
- データ前処理
- データの分析・仮説の検証・レポーティング
- データサイエンティストの主な3つの働き方
- 1.価値を持続的に生むためのシステム検討・構築
- 2.概念実証データから価値が生めるかを確認する
- 3.1および2を持続的に行う組織・戦略・データ基盤などを検討や構築
- データサイエンティストの年収目安
- データサイエンティストに必要なスキル
- ビジネス力
- 数学・統計に関する知識
- AI・機械学習に関する知識
- データベースに関連する知識
- データサイエンティストになるために取得しておくとよい資格
- 統計検定
- G検定・E資格
- データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
- データサイエンティストになる方法
- スキル領域が違う職種でキャリアを積んでから転職する
- スキル領域が似ている職種でキャリアを積んでから転職する
- 独学で勉強をして目指す
- 駆け出しデータサイエンティストは採用後が重要
- 3つの力を磨く
- 自走できるようになる
- 5要素のクオリティを上げて体現する
- まとめ
近年目覚ましい発展を遂げているIT業界では、AIエンジニアと肩を並べて注目をされている職種に「データサイエンティスト」が挙げられます。今回は、これからの未来に欠かせない職種であるデータサイエンティストについて、詳しく解説していきます。これからデータサイエンティストを目指す人や気になっている人は、是非参考にしてみてください。
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、ビックデータを解析し最大限に活用するスペシャリストです。データから抽出した情報の価値を最大限に高めるために、プログラミングや統計学、数学などさまざまな技術や知識を駆使して活用・実践します。
データサイエンティストはITだけでなく、ビジネスとの両方に精通している職業でもあるので、今や引く手あまたとなっているのが特徴です。
データアナリストとの違い
データアナリストとデータサイエンティストは、どちらも情報を扱うことは同じですが、違いはクライアント寄りなのか、システム寄りなのかといえます。データアナリストはクライアント寄りなのに対して、データサイエンティストはシステム寄りの職業です。
データアナリストは、既存のデータの調査を行い、統計学を用いて分析・可視化して、クライアントの業務に役立てます。そのため、求められるスキルもExcelやSAS、BIツールといった、主に統計学に関するものです。
一方のデータサイエンティストは、機械学習を用いてデータアナリストより高度な分析を行い、データを分析するためのシステム構築に役立てます。プログラミングやTensorFlow、Chainerなど、主に機械学習に関するものです。
データエンジニアとの違い
データエンジニアとの違いは、担う役割にあります。データエンジニアは、データを分析するための基盤構築を主な業務とする職種です。データサイエンティストはデータを分析するために技術やスキルを使用しますが、データエンジニアは、データを分析するための土台作りのために技術やスキルを使用します。
つまり、データエンジニアの役割は土台の構築であり、データサイエンティストの役割は分析になります。
AIエンジニアとの違い
AIエンジニアとの違いは、立ち位置そのものにあります。データサイエンティストはAI技術を用いて分析を行うのに対して、AIエンジニアは、AIそのものを構築するエンジニアです。
データサイエンティストの仕事内容
ここからは、データサイエンティストの仕事内容を解説していきます。主に、以下の作業プロセスを基にして行われるのが、一般的なデータサイエンティストの仕事です。
データ収集・企画・仮説立案
データサイエンティストは、企業の経営戦略に必要な客観的な情報を得るために、まずは企画・仮説立案を行います。企画や立案した仮説の立証に必要なデータを、大量のデータの中から収集します。
データ前処理
データ収集をした後、すぐに分析をするのではありません。集めたデータは、テーマに沿って分析しやすいように、関係のない情報を排除したり、フォーマットを揃えたりといった加工を行います。
データの分析・仮説の検証・レポーティング
データ前処理として加工されたビッグデータを分析し、有意なデータを見つけます。分析結果から仮説の検証を行い、正しければレポートをまとめて、企業側に提言します。分析データから行った仮説が正しくない場合は、仮説の立案からやり直しです。仮説の検証ができるまで、やり直し作業を行います。
データサイエンティストの主な3つの働き方
データサイエンティストの働き方は、大きく3つに分類することができます。その主な3つの働き方とはどのようなものなのか、見ていきましょう。
1.価値を持続的に生むためのシステム検討・構築
概念実証(新しいアイディアや技術などの実現可能性)データから、目的の価値が生めることが確認できたら、その価値を持続的に生むためのシステム検討・構築を行うのも、データサイエンティストの仕事です。
例えば、物流業界でいうなれば、画像から不良品を検出するモデルを実際の工場で稼働させる実装や、ソーシャルゲーム開発などが挙げられます。
2.概念実証データから価値が生めるかを確認する
一般的なデータサイエンティストの仕事として認識されているのが、概念実証データから価値が生めるかどうかを確認する作業です。集計や可視化といった方法でデータを価値あるものにかえ、予測や最適化といった技術に生かします。
3.1および2を持続的に行う組織・戦略・データ基盤などを検討や構築
特定のデータから価値を見つけるのではなく、既存のデータをどのように活用するのか、データ管理・運用するための課題を見つけ、基盤や構築などを検討するといった仕事も、データサイエンティストの領域です。
データサイエンティストの年収目安
データサイエンティストの年収目安は、jobtagによると2023年はITSSレベル3のスキルで600~900万円、ITSSレベル4で650~950万円、ITSSレベル5以上になると、700~1,100万円になっています。
スキルが高ければ高いほど年収が上がるので、年収に関しては努力次第で青天井になる職種です。
出典:職業情報サイトjobtag
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストに欠かせないスキルを解説していきます。
ビジネス力
データサイエンティストに求められるのは、基本的技術だけではありません。データサイエンティストが担う仕事の最終ゴールは、ビジネス問題の解決になります。
そのため、ビジネス問題を解決するには、分析したデータから問題の解決方法を提案するドキュメンテーション能力やコミュニケーション能力といった、ビジネスに関する優れた知識やスキルが必要です。
数学・統計に関する知識
データ分析の際に必要になるのが、数学や統計に関する知識です。分析には、コンピュータや専用ツールも使用することがあるため、特定ツールに依存しないためにも、コンピュータサイエンス力も身に付けておくと、仕事がはかどるでしょう。
AI・機械学習に関する知識
データサイエンティストは機械学習を基に、AI技術を利用して作業を行います。機械学習の基本理解はもちろん、AIによく使用されるPythonといったプログラミング言語も理解しておく必要があります。
データベースに関連する知識
大量のデータの中から、価値を見つけるには、データベースに関連する知識も欠かせません。データベース分野は、コンピュータサイエンス界の中でも独立した研究分野です。
データベース界で標準として使われているのはSQLですが、一般的なプログラミング言語とは作法が異なる部分があります。データベース分野の知見も深めておくのがよいでしょう。
データサイエンティストになるために取得しておくとよい資格
データサイエンティストになるために、取得しておくとよい資格を解説していきます。データサイエンティストを目指している人は、以下の資格を取得して、理想の未来を手に入れましょう。
統計検定
統計検定は、一般社団法人日本統計学会が認定している、全国統一の検定です。統計に関する知識や技術の証明ができる資格で、DS(データサイエンス)検定よりも統計に関する内容に特化しています。難易度やジャンルによって複数の検定が用意されています。
その中でも特に、DS基礎やDS発展、DSエキスパートは、データサイエンティストに必要な分析能力が備わっていることを証明する資格なので、取得しておきましょう。
G検定・E資格
G検定・E検定のいずれも、機械学習の手法の内の一つである、ディープラーニングに関する知識を保有していることを証明する資格です。JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が認定・実施しています。
G検定は、ディープラーニングの基礎知識を用いてビジネスに役立てられるかどうかを、E検定は、ディープラーニングを応用して更に発展させられるか、具体的な実装について学べる資格です。尚、E検定に関してはJDLA認定プログラムを終了していることが、受験の条件になっています。
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
データサイエンティストの登竜門ともいえるのが、データサイエンティスト検定リテラシーレベル(通称:DS検定)です。一般社団法人データサイエンティスト協会が行っている検定で、データサイエンティストとしての能力を4段階に分類しています。
最も基礎なレベルから「Assistant Data Scientist(アシスタント データサイエンティスト)」、「Associate Data Scientist(アソシエート データサイエンティスト)」、「Full Data Scientist(フル データサイエンティスト)」、「Senior Data Scientist(シニア データサイエンティスト)」となっており、実際のプロジェクトに必要な知識を網羅することが可能です。
データサイエンティストになる方法
データサイエンティストになりたいと思っても、どのように目指せばよいかわからない人もいるでしょう。そういった人のために、データサイエンティストになるための方法をいくつか解説していきます。必ずしも、下記の方法でなければデータサイエンティストになれないわけではないので、自分に適した方法で挑戦してくのがおすすめです。
スキル領域が違う職種でキャリアを積んでから転職する
システムエンジニアやマーケティング職など、スキルが違う職種でキャリアを積んでからキャリアアップするという方法があります。スキル領域は違うといえど、システムエンジニアのプログラミング知識や、マーケティング職の数字から物事を判断する能力は、データサイエンティストにも活用できる能力です。
データサイエンティストには、幅広いジャンルの知識とスキルが求められるので、ITやビジネスに関する知識は、多いに超したことはありません。
スキル領域が似ている職種でキャリアを積んでから転職する
データエンジニアやデータアナリストなど、データサイエンティストに近い職種でキャリアを積んでから転職するのもおすすめです。データサイエンティストとスキル領域が似ているので、おのずとデータサイエンティストに役立つスキルも身に付いています。
具体的な技術力や現場で即戦力となるビジネス力を身に付けてから転職すると、データサイエンティストとして高評価されやすいでしょう。
独学で勉強をして目指す
独学で勉強をしてデータサイエンティストを目指す場合は、データサイエンティストとしての必要最低限の知識を身に付けることを目的としてするのがおすすめです。IT関係ではない職種から転職するのであれば、プログラミングや分析といった基礎部分から始めるのがよいでしょう。
駆け出しデータサイエンティストは採用後が重要
数々の努力を積み重ねて、念願のデータサイエンティストになれば終わりではありません。どのような仕事も常に努力して進化することを求められます。データサイエンティストも例外ではなく、駆け出しデータサイエンティストは、採用後が特に重要です。
優秀なデータサイエンティストとして活躍するために必要なことを解説していきます。
3つの力を磨く
データサイエンティストには、求められるスキルセットというものがあります。
それは、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の3つです。この3つのスキルは、データサイエンティストにとって重要なもので、どれが欠けても高品質な仕事をすることができません。
自走できるようになる
データサイエンティストとして活躍するのであれば、いつまでも人に細かな指示をしてもらうのではなく、自走できるようになる必要があります。いつまでも自走できない状態が続くと、管理コストがかかってしまう上、レバレッジが効きません。
自分を起点とし、適切に行動ができるようになると、仕事を任せられる範疇も増え、よりデータサイエンティストとしての活躍を期待されるようになります。
5要素のクオリティを上げて体現する
以下の5要素のクオリティを上げて体現し続けることで、優秀なデータサイエンティストとして活躍し続けることができます。
要素 | 求められること |
基本の道具を使いこなす | 理系学部レベル以上の数学や統計学に関する知識と応用力 |
外部環境の変化に追随する | ・常に変わりゆく外部環境を受け入れる順応性とスキル向上を継続させる強い意志 ・使用したことのないツールや技術にも臆することなく挑戦する気持ち |
ビジネスの場での価値創出を目指せる | ・データから価値創出し、ビジネスへの直接的な貢献が目標であることを理解できる ・コミュニケーション能力に優れている |
自身の力で考え抜く | ・思考力や応用力などを持っている ・固定概念にとらわれず、自分で解決策を見つける力 ・さまざまなケースに対応すべく、あらゆる状況を想像する豊かな発想力 ・想定外の困難にも立ち向かう粘り強さ |
データをリスペクトし情熱を注ぐ | ・長時間データに向き合う時間を苦にせず分析する情熱を持ち続けられる ・データが語る事実をねじ曲げずに素直に結果を受け入れ柔軟に対応する気持ち |
また、この5要素の条件を満たしている人は、データサイエンティストに向いている人でもあるので、自分に該当するかどうか、比較してみてください。
まとめ
ITエンジニアに比べると、認知度が低めなデータサイエンティストですが、データサイエンティストの存在によって、今日の豊かな生活が支えられています。IT業界が進化を遂げる限り、需要のある職種でもあるので、非常に将来性の明るい職種です。未経験からでもデータサイエンティストを目指すことは不可能ではないので、少しでも気になっている場合は、勇気を出して挑戦してみましょう。
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