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再就職手当を受給できる条件とは?計算方法や申請手続きの流れもあわせて解説!
目次
- 再就職手当とは
- 再就職手当の目的
- 基本手当との違い
- 派遣社員でも再就職手当は受給できる
- 再就職手当を受給するメリットとは
- 収入や生活の安定に繋がる
- 再就職手当は課税対象外である
- 再就職手当を受け取った後に退職しても返金しなくてよい
- 再就職先を退職しても基本手当を再び申請できる
- 再就職手当を受給するデメリットとは
- 失業手当が打ち切りになる
- 志望度が低い再就職先を選んでしまう可能性がある
- 再就職手当を受給するための8つの条件
- 1.待機期間を満了している
- 2.基本手当の支給残日数が3分の1以上ある
- 3.再就職先で1年を超えた勤務が確実である
- 4.ハローワークまたは職業紹介事業者を通して就職している
- 5.雇用保険の被保険者となっている
- 6.同じ企業に再就職していない
- 7.受給資格決定前後に再就職先での採用が決定している
- 8.過去3年以内に、再就職手当・常用就職支度手当の支給を受けていない
- 再就職手当は受給できない場合もある
- 再就職手当を受給できるタイミング
- 再就職手当受給申請の流れ
- 1.再就職先の採用証明書をハローワークへ提出
- 2.再就職手当支給申請書を受けとり、記入後に再就職先に提出
- 3.再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証をハローワークに提出
- 再就職手当が受給できる期間
- 再就職手当の受給金額計算方法
- 給付率の決定方法
- まとめ
再就職手当とは
再就職手当とは、失業者の再就職活動を支援する雇用保険制度のひとつで、早期の再就職に対して支給される手当です。
本記事では、再就職手当のメリット・デメリットや受給条件、金額の計算方法などについて解説します。まずは再就職手当について理解し、受給対象者となる場合には有効に活用しましょう。
再就職手当の目的
再就職手当は失業者に早期の再就職を促すことを目的としています。一般的に失業期間が長くなればなるほど、社会復帰への不安が大きくなってしまうものです。そのため、再就職が早いほど高い給付金を支給することで、失業者がスムーズに新たなキャリアをスタートさせ、いち早く安定した生活を維持できるようになるための後押しをしています。
基本手当との違い
再就職手当と基本手当は、どちらも雇用保険制度のひとつである点と失業者を支援する給付である点は同じですが、目的が異なります。
そもそも基本手当(失業保険)とは、失業してから再就職までの期間に給付される手当金のことです。ある程度の収入がないと求職活動を続けるのも難しいため、次の仕事に就くまでの生活を支援する役割を担っています。
つまり、再就職手当の目的が“行動喚起”であるのに対し、基本手当の目的は“金銭的支援”という点が大きな違いです。
派遣社員でも再就職手当は受給できる
再就職手当を受給するためには正社員で再就職しなくてはいけないと思っている人もいらっしゃるかもしれませんが、派遣社員でも再就職手当を受給できるケースがあります。それは、1年を超えた勤務が見込まれている場合です。
例えば、雇用契約書で定められている雇用期間が1年以下であっても、契約更新により1年を超えて勤務することが見込まれている場合は、再就職手当を受給することができます。よって、紹介予定派遣(※)や契約更新をしない前提の短期派遣は、受給対象とならないので注意が必要です。
(※)派遣先企業で直接雇用に転換されるのが前提の派遣のこと。一定期間(最長6ヶ月)、派遣社員として就業した後、派遣先企業と派遣社員の双方の合意を得られると直接雇用に切り替わる。
なお、type IT派遣では、長期的なご就業を見込んだ一般派遣の求人を多数取り扱っております。再就職手当を受給できるよう1年を超えて勤務できる見込みのあるお仕事に絞ってご紹介することなども可能ですので、ぜひお気軽にご登録・ご相談ください!
再就職手当を受給するメリットとは
再就職手当を受給するメリットについて、特徴も合わせてご紹介します。
収入や生活の安定に繋がる
再就職手当金の目的が再就職への行動喚起といっても、給付金を受けられることには変わりないので、収入や生活の安定に繋がります。
なかには「再就職をすると基本手当が受給できなくなり損なのでは?」と考える人もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことはありません。基本手当の金額は離職前の賃金の50~80%ですが、失業中しか受給できないため、働いている期間より大きく収入が下がることになります。
一方で、再就職手当は早期に再就職すると受給できる金額は基本手当の70%で、これに加えて再就職先からの給与も得ることができます。よって、早期に再就職をして、再就職手当と再就職先からの給与を得たほうが、金銭的に余裕のある生活ができるといえます。
再就職手当は課税対象外である
再就職手当は非課税所得なので、収入に含まれません。そのため、再就職先での年末調整や確定申告が必要ありません。ただし、社会保険の扶養の算出には含まれるので注意しましょう。
社会保険の扶養控除やいわゆる”年収の壁”については、以下の記事でご紹介しています。
再就職手当を受け取った後に退職しても返金しなくてよい
再就職手当を受け取り、その後退職したとしても返金する必要がないのもメリットといえます。後ほど詳しく解説しますが、再就職手当の受給は再就職先で1年を超えた勤務が確実であることが前提になります。しかし、予定と異なりすぐに退職したとしても、返金を求められることはありません。
再就職先を退職しても基本手当を再び申請できる
再就職手当を受給した後、再就職先を退職しても再び基本手当の申請ができます。そのタイミングで基本手当の受給条件を満たしている必要はありますが、再就職手当を受給したことにより対象から外れることはないので、今後基本手当がもらえなくなってしまう心配がないのもメリットといえるでしょう。
再就職手当を受給するデメリットとは
続いては、再就職手当のデメリットについて解説します。
失業手当が打ち切りになる
再就職手当を受給することで基本手当が打ち切りになる点がデメリットと考えられるかもしれません。しかし、基本手当はもともと失業期間中にしか受給できないものです。
また、再就職手当のメリットとしても解説した通り、基本的に再就職手当と再就職からの給与の合算金額は基本手当の金額を超えるので、結果収入が上がるケースがほとんどです。
志望度が低い再就職先を選んでしまう可能性がある
再就職のタイミングが早いほど有利になる仕組みがゆえに、再就職手当の受給自体が目的となり、志望度が低い就職先を選んでしまう可能性がある点はデメリットといえます。
もちろん再就職は早いに越したことはありませんが、一番大切なのは自分に合った職業・会社に再就職をし、安定して働くことです。再就職手当にとらわれすぎて、求職活動の目的を見失わないように気をつけましょう。
再就職手当を受給するための8つの条件
再就職手当を受給するためには、以下の1~8の条件をすべて満たす必要があります。
1.待機期間を満了している
雇用保険の基本手当の手続きをしてから7日間は、基本手当が支給されない待機期間です。待機期間中に再就職した場合は、再就職手当は支給されません。
2.基本手当の支給残日数が3分の1以上ある
支給残日数とは、基本手当の支給対象になっている残りの日数のことです。再就職の前日までの支給残日数が支給日数全体の3分の1以上あることも、再就職手当の受給条件のひとつです。
3.再就職先で1年を超えた勤務が確実である
再就職先での雇用形態が正社員(正規雇用)であれば、雇用期間の定めがないので1年を超えた勤務が確実であるといえます。そのため、この条件については特段気にする必要はありません。
契約社員や派遣社員の場合は雇用契約書を確認しましょう。雇用契約書で定められている雇用期間が1年以上または契約更新により1年を超えて勤務することが見込まれている場合は、再就職手当の受給対象となります。
4.ハローワークまたは職業紹介事業者を通して就職している
自己都合などで退職をした場合、基本手当の給付制限(基本手当が支給されない期間)があります。この給付制限がある人は、求職申込をしてから待機期間満了後1ヶ月の期間内は、ハローワークまたは厚生労働省が許可した職業紹介事業者(※)の紹介により再就職することが条件です。
(※)就職や転職を希望する人々と企業の仲介を行う事業者のこと。転職エージェントや派遣会社などが該当する。
5.雇用保険の被保険者となっている
原則として、雇用保険に加入している必要があります。
6.同じ企業に再就職していない
直前に勤務していた企業に再就職した場合、再就職手当の受給はできません。また、離職した企業と資本・資金・人事・取引面で密接な関わりがある企業への再就職の場合も、支給対象外となります。
7.受給資格決定前後に再就職先での採用が決定している
基本手当の申請より前に再就職先での採用が決まっていないことも受給条件です。
8.過去3年以内に、再就職手当・常用就職支度手当の支給を受けていない
再就職日から前3年以内に再就職手当または常用就職支度手当(※)を受給していた場合、再就職手当を受給することができません。
(※)障がいを抱えるなどで就職困難な方が再就職したときに支給される手当
再就職手当は受給できない場合もある
先述した『再就職手当を受給するための8つの条件』をすべて満たしていない場合、再就職手当を受給することができません。条件を満たしていると思っていても、企業側の手続きの不備で雇用保険未加入だったなどのケースもあるので、自分の状況をしっかり確認しておきましょう。
また、再就職手当の支給が決定する前に再就職先を退職した場合も再就職手当を受給することができません。
再就職手当を受給できるタイミング
再就職手当を受給できるのは、再就職が決まりハローワークへ申請をしてから約1ヶ月後です。ただし、ハローワークが混み合っている時期などは1ヶ月半程度かかることもあります。
また、必要書類に不備などがあると事実確認に時間がかり認定が遅れるので、受給できるまで期間が空いてしまう可能性があります。
再就職手当受給申請の流れ
再就職手当金を受給するためには、再就職先への入社日が確定後、自ら申請を行わなくてはいけません。申請に必要な書類や提出する順序を事前に確認しておきましょう。
1.再就職先の採用証明書をハローワークへ提出
再就職先に「採用証明証」の必要事項を記入してもらい、ハローワークに提出します。「採用証明書」は基本手当申請後の受給説明会で渡される受給者のしおりに同封されています。もし紛失してしまった場合は、ハローワークのサイトからダウンロードすることも可能です。
併せて、同説明会で発行される「雇用保険受給資格者証」と「失業認定報告書」も提出します。
2.再就職手当支給申請書を受けとり、記入後に再就職先に提出
ハローワークから再就職手当の支給要件に該当すると判斷されると、「再就職手当支給申請書」を受け取ることができます。この「再就職手当支給申請書」の本人記入欄を記入後、再就職先に提出し、企業記入欄に記入してもらいます。
3.再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証をハローワークに提出
本人・企業記入欄ともに記入済みの「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」をハローワークに提出します。
その後、正式に支給が決定すると「再就職手当支給決定通知書」が届き、1週間以内を目安に再就職手当が振り込まれます。また、万が一、再就職手当支給の審査に通らなかった場合は、不支給の決定通知書が届きます。
再就職手当が受給できる期間
再就職手当の申請期限は、再就職の翌日から原則1ヶ月以内です。ただし、2年間の時効期間があるので、もし1ヶ月を超えてしまった場合でも申請することができます。とはいえ、あくまでも時効期間なので後回しにせず早めに申請しましょう。
再就職手当の受給金額計算方法
再就職手当の金額は下記の計算式により算出されます。
【再就職手当】=【基本手当日額】×【所定給付日数の支給残日数】×【給付率(60または70%)】
基本手当日額とは、雇用保険で受給できる1日あたりの金額のことで、離職日の直前6ヶ月間で支払われた賃金(賞与などは除く)の合計を180で割って算出されます。実際の金額は、雇用保険受給資格者証に記載されています。
所定給付日数とは、基本手当を受けられる上限日数のことです。雇用保険に加入していた期間・受給者の年齢・離職理由により、90~360日の間で決定されます。この支給残日数が再就職手当の算出に使われます。
給付率の決定方法
これまでもお伝えしたように、再就職手当は再就職が早いほど有利になる仕組みです。そのため、給付率は所定給付日数の支給残日数により決定します。
・支給残日数が所定給付日数の3分の2以上 → 70%
・支給残日数が所定給付日数の3分の1以上 → 60%
・支給残日数が所定給付日数の3分の1未満 → 受給対象外
まとめ
本記事では、基本手当の受給期間中に早期の再就職をすることで受給できる「再就職手当」について解説しました。受給対象者は積極的に利用して、収入面の不安解消や転職活動のモチベーションアップに役立てられると良いでしょう。
また、自分が受給条件を満たしているのかが分からなかったり、他にも気になることがある場合は、まずはハローワークに相談してみるのもおすすめです。
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