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未経験クリエイターが派遣で働くメリット・デメリット

未経験クリエイターが派遣で働くメリット・デメリット

成長が見込まれるIT・Web業界。異業種からのエンジニア・クリエイターへの転身を狙う方も多いはず。でも、実際に転職先を探すとなると、未経験者の募集はなかなか見つかりません。では、どうすれば実務経験ゼロからキャリアを築いて行けるのでしょうか?

今回は“派遣”という働き方を上手に活用してスキルを身に着け、現在はフリーランスとして活躍するTさんにお話をお伺いしてみました!

人物・略歴


自衛隊員・個人事業主向けのコンサルティング企業を経験した後、クリエイティブ業界に転身。フリーランス、正社員、派遣社員を経験し、現在は家業とフリーランスを兼業し“フロントサイドエンジニア”として活躍中。

ご経歴について教えてください。

いわゆる“クリエイター”に転向したのは、2004年頃でした。その前は経営コンサルティング会社に勤めていて、“人と人とを繋いでいく”という職種柄、仕事を通して広がる人間関係や人との関わりに少し疲れていた時期で…。そんなタイミングで、制作会社に勤める知人から一緒に働かないか、と声をかけてもらい転職を考えました。

クリエイティブ業界は全くの未経験だったので、知人からハローワークを介して職業訓練が受けられることを聞き、3カ月ほど通ってHTML・CSSの基礎について学びました。その後入社したのは、小さな制作会社。デザインは外部に依頼していましたが、企画からディレクションまで一人で幅広く担当しました。経験を重ねるうちにサイト制作に興味を持つように。2008年頃には関連する制作会社に転職し、更に3年ほど経験を積みました。

2011年に形式上フリーランスとして独立しましたが、前職の2社からは依然として業務を請け負っていましたね。“派遣”として働き始めたのは、フリーランスとして3年半弱活動した後でした。

フリーランスから、“派遣”を選択したきっかけはなんですか?

当時は技術が急速に成長しだした頃で、”独学だけでは追いつけなくなってきた”というのが背景です。フリーランスでは、基本的に知り合いや関連する方からの依頼が多く、業務内容がどれも似たり寄ったり。そのため、独学で新しい技術を学んでも、実践で使う機会がありませんでした。

当時浸透しだしたWordPressに関わる求人を探していましたが、実務経験はない状態。飛び込みで取り合ってくれる会社はもちろんないので、そこで選択肢に挙がってきたのが「派遣」という働き方でした。

今の“派遣”に対する印象はどうですか?

世間一般的には、”派遣”という言葉にぼんやりとマイナスな印象があるかもしれません。“日雇い派遣”を連想する人もいるでしょうし、”非正規”という点でネガティブな印象を持つ人が少なからずいることも事実でしょう。

しかし“派遣”の中身自体は、クリエイターや技術系の仕事を目指す人にとって、勉強しながらお給料が貰える「最高の場」だと思っています。私個人としては“仕事をしながら学んでいる期間=学生期間”のようなものだと認識していますし、実際現場で勉強する時間もありましたよ。

”派遣”で感じた、メリットはありますか?

「自分の専門分野以外について知る」ことができたのは、経験として大きかったですね。キャリアアップするためには、Webの技術以外にも覚えなければならないことがたくさんあります。それを同時に学べるのは、フリーランスではなく企業に勤めて働く“派遣”ならではのメリットではないでしょうか。

私の場合、WordPress関連の制作ポジションで就業していましたが、経験できたのはそれだけではありません。企業がどういうサーバーの組み方をしているのか、インフラエンジニアがやるような仕事も垣間見ることができたり、データ・ファイル管理の仕方など様々な面で学びがありました。

また「会社行事に参加しなくていい」ことも、人によってはメリットになりますね。任せられた業務さえきちんとやっていれば、会社行事を休もうと問題ないので。笑 私の場合は参加を強制されることはありませんでしたし、派遣の場合、多くの企業さんがその様なスタンスの気がします。

それと語弊があったら申し訳ないですが、派遣は「責任が少ない」分だけ楽でしたね。フリーランスと比べると、派遣は一種の会社員(=雇用されて働く立場)なので責任は軽いと思います。業務内容が決まっていて最終的には社員さんがチェックすることが前提でしたから、自分の業務や勉強に集中できる環境はあると思いますよ。

デメリットがあれば、正直に教えてください!

デメリットについてはあまり感じなかったですが、「時給制」であることは気を付けておいた方が良いかもしれません。

残業の少なさや休みの取りやすさなど、派遣は時間の制約が少ない一方で、会社都合で就業時間が短くなってしまうことがあります。時給制はその分のお給料が支払われないので、自身での金銭管理が必要です。しかし生活していく上では家計管理も同じようなものですし、将来独立を目指している方だったら当然の金銭管理だと思っています。

派遣時代の経験やスキルは、今のお仕事に活きていますか?

経験として、企業に勤めることで人を覚える(=人脈を広げる)ことができました。当時お世話になったほとんどの方と、今も連絡を取ることができます。そこで知り合った方に、対企業として仕事を依頼できるかというと話は別ですけど、”こういう技術があるよ”とか教えてもらえたり、相談できるのは心強いですね。

また私自身の経歴で言うと、今は“フロントサイドエンジニア”という位置づけで活動していますが、派遣時代に得た技術的なスキルが今のディレクション業務に活きています。結局、技術的なことを理解して現実的なスケジュールが引けないと、ディレクションってできないんですよね。例えば、技術的にこれとこれは相性が悪いとか、プログラミング言語の相性とか。教科書だけ読んでいても実践では上手くいかないことが多いし、実際現場の方が得るものが多いです。

「正社員になるのか独立するのか」個人の目標も関わってくると思いますが、独立したいなら多くの人を知っておくべきだし、正社員なら高い技術を持っている方が声がかかりますよね。どちらにせよ派遣期間での経験は活きると思います。

type IT派遣に対して、感想があれば教えてください。

他の派遣会社を利用したことがないので、会社を比較しての評価は難しいですが…。特にお世話になった担当営業さんが2名いて、実は今回のインタビューも、その方と連絡を取ったことがきっかけなんです。時間が経った今でも気軽に連絡が取れるくらい、親しくさせてもらっていました。

そしてアソシエサポート(労務周りのサポート担当)の方にも、何から何までたくさんフォローしていただいた記憶があります。社会保障や有給休暇など、制度が充実していたことが意外でしたね。就業先の企業によっては交通費も支払われていたので、ありがたかったです。(※現在は規定の範囲で交通費全額を実費支給しています)

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