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派遣から直接雇用になる方法とは?メリット・デメリットとあわせて注意するポイントも解説!
目次
- 派遣から直接雇用になる5つの方法
- 1.紹介予定派遣で登録する
- 2.常用型派遣で登録する
- 3.正社員登用を受ける
- 4.人材紹介サービスを利用する
- 5.派遣社員の3年ルールを利用する
- 個人単位の適用外
- 企業単位の適用外
- 派遣から直接雇用になるメリット・デメリット
- メリット
- 長期継続して働くことができる
- 業務範囲が広がる
- 待遇面が安定する
- 企業選びのミスマッチがない
- デメリット
- 働き方の自由度が低くなる
- 派遣社員にすぐには戻れない
- 仕事を辞めづらくなる
- 収入や福利厚生の質が下がる可能性がある
- 派遣から直接雇用を目指す場合の注意点
- 引き抜きはトラブルの原因になりやすい
- 労働条件をしっかり確認する
- 直接雇用を促すための義務や努力義務がある
- 派遣会社
- 雇用安定措置
- 派遣先企業
- 雇用努力義務
- 募集情報の提供義務
- まとめ
派遣から直接雇用になる5つの方法
派遣契約が満了を迎えるタイミングで、雇用形態を変えたいと考える人も多いのではないでしょうか。派遣社員から正社員・契約社員を目指す場合、どのような方法があるのか、具体的な方法を5つご紹介します。
1.紹介予定派遣で登録する
紹介予定派遣とは、最大6ヶ月間派遣社員として企業で働き、企業と個人がお互いに相性を確認した上で、正社員(または契約社員)への雇用切り替えを行う仕組みです。実際に働く職場の雰囲気や業務内容を経験した上で入社できるため、納得感のある転職ができる制度です。
直接雇用への切り替えを希望しない場合は、派遣会社に他の就業先を紹介してもらうことも可能です。
2.常用型派遣で登録する
就業先で直接雇用されるのではなく、派遣元企業で直接雇用してもらう方法もあります。常用型派遣であれば、派遣会社に常時雇用されている状態になりますので、就業期間が空いてしまった場合でも派遣会社から給与が支給される安心感があります。
また、一般派遣の場合、基本的に同一の組織で3年以上勤務することができませんが、常用型派遣には適用されません。そのため、専門分野の経験を継続的に積み、キャリア形成につなげやすくなります。
3.正社員登用を受ける
派遣先企業で、正社員登用制度を設けている場合があります。法律で定められた制度ではなく、企業独自で制定しているものになりますので、登用までに必要な期間や、登用試験の有無・内容などは企業毎に異なります。気になる場合は、派遣元の担当者にこれまでに派遣から正社員への登用実績はあるか、あればどのような手順になるのかを確認してみてください。
4.人材紹介サービスを利用する
直接雇用で働きたい場合、人材紹介サービスの利用を検討してみるのもよいでしょう。
例えば「type IT派遣」サービスを展開する株式会社キャリアデザインセンターには「type転職エージェント」という人材紹介部門もあります。派遣と同様、キャリアアドバイザーが第三者目線で転職のアドバイスをしてくれるだけでなく、求人への応募や面接日程の調整なども任せることができるメリットがあります。一般の求人サイトでは出会えない非公開求人も取り扱っているため、一人で転職活動を行うよりチャンスが広がる方法と言えるでしょう。
5.派遣社員の3年ルールを利用する
3年ルールとは、派遣社員が同じ事業所で勤務できるのは原則3年までという制限のことで「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」で定められています。派遣労働者の雇用の安定やキャリアアップを目的として新設されました。
そのため、派遣先企業は就業中の派遣社員を3年を超えて雇用したいと考えたタイミングで直接雇用に切り替える可能性が高くなりました。また、派遣元企業には、派遣先に直接雇用の依頼を行うなどの「雇用安定措置」の義務が設けられています。
個人単位の適用外
「3年ルール」の例外として、3年を超えて働くことができるケースもあります。
以下の場合は個人単位の期間制限の適用外となります。
(1)派遣元と期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)を締結している場合
(2)年齢が60歳以上である場合
(3)予めが終了期限が決まっている有期プロジェクトに参加している場合
(4)派遣先の通常の労働者の月の所定労働日数の半数以下、かつ、10日以下の日数で発生する業務を行っている場合
(5)産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する派遣先社員の代替として業務を行う場合
企業単位の適用外
派遣先企業は、原則として3年以上派遣社員を受け入れることはできません。この場合の3年間とは、同一の派遣社員が3年間働く場合だけでなく、途中で派遣社員が別の派遣社員に切り替わっとしても3年を超えてはならないという、通算での期間になります。
つまり、1年間Aという派遣社員が既に働いていた事業所では、別のBという派遣社員に交代したとしても、Bは最大2年までしか同じ事業者で働くことはできないのです。
ただし、派遣先企業に所属する労働者の過半数を代表する労働組合が許可を出した場合は期間を延長することができるため、実際にはほとんどの企業で事業所単位の期間制限は適用されていないようです。
派遣から直接雇用になるメリット・デメリット
派遣から直接雇用になることは、立場や待遇面での安定が得られるメリットがありますが、派遣社員ならではの働き方の柔軟性が損なわれるなどのデメリットもあります。切り替えに関しては、メリット・デメリット両方を知った上で決めていきたいもの。以下で詳細をお伝えします。
メリット
派遣社員から直接雇用に切り替わることで、以下のようなメリットが得られます。
- ・長期継続して働くことができる
- ・業務範囲が広がる
- ・待遇面が安定する
- ・企業選びのミスマッチがない
- ・働き方の自由度が低くなる
- ・派遣社員にすぐには戻れない
- ・仕事を辞めづらくなる
- ・収入や福利厚生の質が下がる可能性がある
長期継続して働くことができる
前述の通り、派遣社員が同じ職場で働けるのは原則として3年間までです。せっかく経験を積んでも、また新しい職場に入れば業務の進め方や環境が異なり、スキルや知識を活かしきれないケースもあるでしょう。直接雇用に切り替えることで期間の縛りがなくなり、長期的なキャリア形成につなげることができます。
業務範囲が広がる
派遣社員として就業する際は、労働者派遣契約書に記載された業務を行うことになります。業務範囲が明確なので安心感がある一方、働くうちに「もっとできることを増やしたい」「裁量を持って仕事に取り組みたい」という希望が出てくることもあります。
直接雇用に切り替われば任される業務に制限がなくなりますので、新しい業務にチャレンジしてスキルアップすることも可能になります。それに伴い、昇進・昇給の機会も増えていくはずです。
待遇面が安定する
派遣先企業で直接雇用に切り替わると、福利厚生なども派遣元企業のものから就業先企業のものに変更になります。所属する健康保険組合が変わったり、休暇制度や住宅手当など企業が独自に用意している福利厚生を受けられるようになることで、待遇面が改善されるかもしれません。
また、財形貯蓄や持株会・ストックオプションなど資産形成において有利な制度がある企業もあります。
企業選びのミスマッチがない
通常の新卒採用や中途採用では、実際にその職場で働いてみて、自分に合った環境なのかを確かめる機会はありません。就業先で派遣契約から直接雇用に切り替える場合、業務内容や社内の雰囲気・ルールなどを知った上で雇用となるため、ミスマッチもない企業選びをすることができます。
デメリット
一方、以下のようなデメリットもあります。
働き方の自由度が低くなる
派遣社員であれば、勤務地や勤務時間・日数、業務内容など希望に合わせた案件を選択することができます。派遣元企業の担当者がこうした要望をヒアリングし、就業先企業との間に入って調整してくれることも、派遣会社を通して就業するメリットです。
直接雇用に切り替わった場合、基本的には企業の就業規則に合わせてフルタイムで働くことになります。また、企業の業務命令に従う必要も出てくるため、業務内容の変更があったり、勤務地の変更を伴う部署異動もあるかもしれません。
派遣社員にすぐには戻れない
派遣法で定められたルールに「離職後1年以内の労働者派遣の禁止」があります。これは、派遣先企業が自社を離職して1年以内の労働者を、派遣社員として受け入れることはできないという決まりです。元々直接雇用をしていた社員を派遣社員として就業されることで、労働条件が悪くなることを防ぐために設けられています。
直接雇用された後、何らかの事情で派遣社員に戻りたいと思っても、形式的に一度離職した上で派遣社員として就業し直すことになり、規定に抵触してしまうため、1年以上の期間を置くことが必要になってしまいます。
仕事を辞めづらくなる
派遣社員は契約満了のタイミングで仕事を切り替えたり、辞めたりすることができます。その場合は辞めたいという意思を派遣元企業の担当者から就業先に伝えてもらえますし、また終了までに業務と並行して次の就業先探しを進めてもらえるメリットがあります。
直接雇用の場合、仕事内容や環境、人間関係などネガティブな要素が出てきたとしても簡単に配属先を変えてもらうことは難しいでしょう。転職する場合も、自分自身で現在の業務と調整しながら面接などを進めなければならないやりづらさがあります。
収入や福利厚生の質が下がる可能性がある
派遣社員の場合は時間外労働分がしっかり支払われますが、直接雇用だと給与に予めみなし分の残業時間代が含まれていることも。直接雇用となり、一見給与が上がったように見えても実は労働時間が増えていて、時給に換算したら派遣社員だった時の方が高かった……というのはよく聞かれる話です。評価制度が明確でない場合、派遣会社が交渉してくれた方が早く昇給が叶えられる可能性も否定できません。
また、派遣会社側の福利厚生の方が内容が充実している場合もあります。特に大手の派遣会社から中小企業の直接雇用に切り替える時には注意する必要があるでしょう。
切り替えを検討する際は、給与体系・評価制度・福利厚生の詳細をしっかり確認するようにしましょう。
派遣から直接雇用を目指す場合の注意点
就業先企業で派遣社員として働くうち、働きぶりが認められれば直接雇用の申し入れを受けることがあります。この申し入れが派遣元企業を通さず行われた場合「引き抜き」と呼ばれ、トラブルのもとになるリスクがあります。
引き抜きはトラブルの原因になりやすい
派遣は働く期間が指定された有期雇用契約のため、やむを得ない事由がない限り契約期間の途中で退職することはできません。引き抜きを受ける際は、契約期間の終了後に直接雇用に切り替わることを確認する必要があります。
派遣元と派遣先の間でのトラブルを防ぐため、労働者派遣契約の「派遣先が派遣労働者を雇用する場合の紛争防止措置」の項目で、あらかじめ直接雇用に切り替える際の手続きが規定されていることがあります。この手続きを踏まないと派遣先企業は契約違反となってしまいますので、まずは派遣元企業の担当者に相談してみてください。
労働条件をしっかり確認する
直接雇用と聞くと、正社員をイメージする方も多いかもしれません。しかし、契約社員やパート・アルバイトのような雇用形態も直接雇用に含まれます。雇用形態によって待遇が異なる場合は多いものです。まずはどの雇用形態になるのかを確認してください。
その後、勤務時間や業務内容、給与制度、休日休暇などの細かい部分を派遣社員の時の待遇と比較してみましょう。「残業なし」「在宅勤務」など派遣社員としては調整可能だった働き方が、直接雇用に切り替わった際にはできなくなる可能性もあります。少しでも気になるところがあったら、切り替えの前にしっかり聞いておくことでギャップの少ない切り替えができるはずです。
直接雇用を促すための義務や努力義務がある
派遣社員が同一の組織で働くことができるのは原則3年までとなっています。派遣法には、派遣社員の直接雇用化を促進するための施策として、派遣元企業・派遣先企業ともにさまざまな義務・努力義務が制定されています。
派遣会社
派遣会社には、派遣期間が終了した派遣社員に対して雇用が継続されるよう「雇用安定措置」として講ずるべき施策が定められています。
対象は、派遣就業見込みが1年以上で就業継続を希望する派遣社員です。同一組織への在籍が3年に達する見込みがある場合は講じなければならない「義務」、3年未満の派遣社員の場合は「努力義務」となります。
雇用安定措置
雇用安定措置として、以下①~④が挙げられます。
①派遣先への直接雇用の依頼
対象となる派遣社員が就業中の派遣先で継続して働くことを希望した場合に、派遣元が派遣先企業に対して対象社員を直接雇用するよう依頼すること。
①を行った結果直接雇用に至らなかったとき、派遣元企業は追加して②~④を行う必要があります。
②新たな派遣先の提供
派遣元が対象社員に新たな派遣先を提供すること。
単に別の就業先を紹介すればいいのではなく、派遣社員の経験や能力に見合ったものでなければなりません。また、居住地を変える必要があったり、給与が大幅に下がるような場合は合理的な措置でないとみなされます。
派遣元企業が対象社員を無期雇用した上で同じ派遣先に派遣することも、この措置に該当します。
③派遣社員以外の派遣会社の内勤社員としての無期雇用
派遣元企業が、対象の社員を無期雇用し派遣元企業での業務を担当させること。
④その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置
次のような措置のことをいいます。
・次の派遣先が決まるまでの間、有給で教育訓練を行う
・紹介予定派遣派遣を行う
なお、紹介予定派遣期間の終了後に直接雇用の義務はありませんので、不採用になった場合も雇用安定措置を行ったことになります。
派遣先企業
派遣先企業には、同一組織単位で1年以上派遣社員が働いているとき「雇用努力義務」と「募集情報の提供義務」が生じます。
雇用努力義務
派遣先は、同一組織単位の同一業務で1年以上働いている派遣社員契約期間の終了後、引き続き同一業務で労働者を雇用しようとする場合、その業務を行っていた派遣社員が就業の継続を希望し、派遣元から直接雇用の依頼があれば受け入れるよう努める義務があります。
ただし、派遣社員が派遣元企業の無期雇用社員である場合には該当しません。
募集情報の提供義務
事務所や店舗といった同一の事業所で1年以上働いている派遣社員がいる場合、当該事業所で正社員を募集するときに、その派遣社員に対して正社員募集情報を周知しなければなりません。この場合の派遣社員は、有期雇用・無期雇用両方を指します。
同一組織単位で3年以上の就業見込みがある派遣社員がいて、さらに派遣元企業からその派遣社員の直接雇用の依頼があった場合は、正社員に限らず契約社員やパートタイマーなどの有期雇用契約社員も含む募集情報を知らせる必要があります。
まとめ
今回は派遣社員から正社員・契約社員などの直接雇用になりたいと考える方に、その方法や直接雇用化された際のメリット・デメリットをお伝えしました。
直接雇用、特に正社員になれば契約期間終了に不安を感じることもなく、安定的に働くことができます。
しかし、派遣社員より責任が重く、制約が多いこともあるというデメリットも。キャリア形成や働き方において、必ずしも直接雇用の方が自分の希望を叶えられるとは限らないということにも留意しておきましょう。
派遣社員から直接雇用への切り替えや、紹介予定派遣を利用しての正社員・契約社員登用は、派遣先の社員になる前に働く環境を知ることができる方法です。自分の目指すキャリア・実現したいライフスタイルによって、ライフステージで雇用形態を変えながら働くのもよいでしょう。
まずはあなたの希望を整理した上で「どの企業で」「どの雇用形態で」働きたいかを考えてみてください。
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