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派遣先・派遣会社との間で起こるトラブル例|相談先や解決法を紹介!

派遣先・派遣会社との間で起こるトラブル例|相談先や解決法を紹介!

「派遣先」で起こるトラブル


人間関係や労働条件など働く上で様々なトラブルはつきものですが、「派遣社員」も例外ではありません。特に派遣は雇用元(派遣会社)と働く現場(派遣先)が異なる特殊な環境で、思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまうケースも。

また、派遣のルールを知らなかったために大きなトラブルに発展してしまう可能性も考えられます。回避できるリスクについては、事前に知識を身につけておきたいですよね。まずは「派遣先」との間で起こり得る、主なトラブル事例について見ていきましょう。

年齢や性別で応募条件に制限がある

派遣の求人を探しているとき、「~歳まで募集」「~代歓迎」「男性(又は女性)限定」のような募集条件を見たことはないでしょうか?実はこれらの表記は違法に当たります。年齢を制限することは「雇用対策法」(年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならない)を犯し、男女の差別については「男女雇用機会均等法」に抵触するためです。

他にも応募条件として「人種」「居住地」「身体的特徴」など、特定の人を差別する表現が禁止されています。万が一このような記載がされていた場合、派遣会社の”求人の取り扱い”や”派遣”への理解が不十分である可能性が考えられるため注意が必要です。

契約外の業務を任せられる

派遣で就業が決まった場合、業務内容は「就業条件明示書」によって取り決められます。原則としてこの明示書に記載していないこと(=契約していない労働)については、派遣先からの指示があったとしても従う義務はありません。とはいえ派遣先によって、派遣の仕組みを正しく理解していない社員からルールを無視して指示を出されることがあるかもしれません。万が一、業務範囲外の指示を受けた場合は派遣会社に相談しましょう。

給与が出ない労働時間がある

職場によって制服に着替える時間や、就業前後のミーティングがあるケースも。実際に業務を行っている時間ではありませんが、着替えやミーティングへの参加が派遣社員にも義務付けられていれば労働時間に含まれます。他に派遣先から指示があった場合の作業準備や後始末、交代制勤務の引継ぎ時間なども同様です。もしこれらを”労働時間”とみなさず給与が支払われなかった場合は賃金請求が行えます。

サービス残業をさせられる

実際は定時以降も働いているのに、残業した時間の勤怠を申請させてもらえないケースが稀にあるようです。派遣先の社員に「残業時間は給料がでない」と言われるケースや、「社員がみんな残業時間は申請していないから自分も勤怠申請しづらい・・」ということも現場によって起こり得ます。しかし派遣は”時給制”の契約です。働いた時間分の給与は受けとる権利があるので、残業時間をごまかさず事実通りの勤務時間をしっかり申請しましょう。

ハラスメントの被害にあった


派遣社員に限った話ではありませんが、様々な”ハラスメント”被害についても注意が必要です。「パワーハラスメント」「セクシュアルハラスメント」「アルコールハラスメント」「モラルハラスメント」などは広く知られるようになりましたが、近年では「リモートハラスメント」「テクノロジーハラスメント」などが問題に挙がることも。

ハラスメントへの理解は広がりつつありますが、いざ自分が被害者になるとどうしていいか分からないなんてことも少なくないはず。被害者側が「自分の考えすぎではないか」「自分にも非があるかもしれない…」と考え、やり過ごしたり泣き寝入りするケースも珍しくないでしょう。もし自分が被害にあってしまったら、まずは派遣会社に相談することをおすすめします。

職場内の人間関係が悪い

職場の人間関係がぎすぎすしていると、志気が下がり働くモチベーションに悪影響を及します。しかし職場の雰囲気や一緒に働く人の性格についてなどは、現場で体験するまで分からないものです。雇用形態による隔たりがなくフラットな職場もあれば、正社員と派遣社員の間に壁があるなど職場によって様々。働きだしてからやり難さを感じたり職場の人間関係に不安を覚えたら、業務に支障がでる前に派遣会社に相談しましょう。

労働条件を一方的に変更される

例えば契約期間中に「時給を下げる」と雇用主に一方的に言われた場合はルールに違反しますが、契約更新時は違反にはなりません。更新時に時給や労働時間など条件変更を申し出されそれに合意できなかった場合は、契約が成立せず雇用が終了します。

またどちらかが労働契約の条件変更を申し入れ相手が受け入れるのであれば、契約期間中であっても変更が成立します。労働条件についてはトラブルの元になりやすいので、自分でもルールを把握しておきましょう。

有給休暇が取得できない

「職場の社員がみんな休んでいないから派遣社員も有給休暇をとってはいけない」なんてことは、もちろんルール上通用しません。有給休暇の取得にあたり一定の条件を満たしていれば、誰でも使用する権利があります。ただし取得方法については派遣会社や派遣先によって申請ルールが異なるため、決まりに従って申請を行いましょう。

有給休暇は「契約日から6ヶ月間継続して、全労働日の8割以上の日数の出勤をした場合」を発生条件とし、これを満たした場合に10日間付与されます。

「派遣会社」とのあいだで起こるトラブル


ここまで”派遣先”との間で起こるトラブルについて紹介しましたが、雇用元である”派遣会社”との間でも様々なトラブル発生のリスクがあります。不測の事態にも冷静に対応できるよう、派遣先とのトラブル事例について確認していきましょう。

派遣先で起こったトラブルに対応してくれない

派遣先でトラブルが起こった時は、まず派遣会社に相談をするのが基本です。ほとんどの派遣会社では営業担当やサポート専門など相談できる窓口が設けられています。

しかし相談したにも関わらず派遣先の味方に偏った対応をされたり、まともに取り合ってもらえないケースが稀にあるようです。トラブル時の派遣会社の対応によっては信用問題にも関わるでしょう。派遣会社に相談しても解決できなかった場合の対処方法については、後の段落で解説します。

産休や育休を取得させてくれない

一定の条件を満たしていれば派遣社員も産休・育休の取得が可能です。産休と育休どちらも取得する場合ある程度の期間を現場から離れることになるため、安定してお給料をもらい続けられるかどうかは重要なポイントになるでしょう。

しかし派遣会社の担当スタッフによって制度の理解にばらつきがあり、適切な対応がされず取得に至らなかったケースも稀に存在するようです。スタッフの対応に不安を覚えたら、派遣会社の社会保険関連の担当窓口に問い合わせてみましょう。

派遣料金の引き下げに応じて時給を下げられる

上述したように契約期間中の労働条件の一方的な変更はできませんが、契約期間を満了し更新のタイミングであれば労働条件の変更はルール上違反行為には当たりません。そのため派遣料金の引き下げに応じて時給が減額される可能性もあります。

派遣会社は企業から受け取る派遣料金から一定の金額をスタッフへ時給として支払い、差分を利益としてサービスを運用しています。そのため派遣サービスを継続するために、派遣料金の引き下げがあった場合の時給の引き下げは仕方のないこととも言えるでしょう。この条件をスタッフ側が受け入れられなかった場合、契約更新が成立せず雇用が終了します。

ただし変更される時給が最低賃金を下回る金額であったり、明らかに業務内容の相場に見合わない不当な金額を言い渡された場合は、更新するかどうかを慎重に検討する必要があります。

契約更新を強要される・退職したいのに辞められない

契約更新時は企業側・スタッフ側それぞれに、更新するかしないかを決める権利があります。仮に派遣会社に引き留められたり更新するよう強く言われたとしても、辞める意思が固まっているのであれば従う必要はありません。

しかし契約期間中の場合は事情が異なります。企業が「契約した期間中は不当に解雇してはならない」ことを約束するのと同時に、スタッフ側も「契約した期間は満了する」義務があります。やむを得ない理由がない限り、契約した期間を満了するのがルールということです。

派遣先の仕事を辞めたい時は派遣会社の担当に連絡しますが、契約期間中であればある程度引き留められるものだと覚悟しておいた方が良いでしょう。ただし体調面や家庭の事情などどうしても働き続けるのが難しい理由がある場合は、正直に事情を説明し誠実な対応を心がけます。そうすればトラブルにならず円満に退職することができるでしょう。

派遣のトラブルを解決するには?


トラブル事例について確認し、基本的な事前知識は身についたと思いますが、それでも回避しきれない問題もあることでしょう…。そんなときこそ冷静な対応が重要です。何が最善の解決策なのか?以下ではそれぞれのケースに合わせて対処方法を紹介するので、ご自身の状況に合わせて適切な対応を選択してください。

派遣会社の窓口に相談する

派遣先で起こったトラブルについては、まず派遣会社を頼りましょう。全て解決できるとは限りませんが、派遣会社が間に入り可能な範囲で対応してくれることがほとんどです。「業務内容についての不安・不満」「現場の人間関係」「時給や労働時間など働き方に関する相談」などはまず、全て派遣会社に相談します。

もし担当スタッフが誠実に対応してくれない場合は派遣会社の別窓口へ相談し、担当を変更してもらう方法もあります。ただし派遣会社の体制や状況によって、必ず応じてもらえる訳ではないということも認識しておきましょう。

ハローワークに相談する

派遣会社に相談しても納得できる対応がしてもらえなかった場合、管轄のハローワーク(公共職業安定所)に相談するのも選択肢の一つです。仮に派遣会社の対応が法律を犯す違反行為だった場合、ハローワークを通じて厚生労働大臣に申告することができます。

労働基準監督署に相談する

全国の都道府県に設置されている機関です。賃金、勤務時間、休日休暇、安全衛生など労働基準法に関係したトラブル全般について相談ができます。派遣会社に相談しても解決できかった問題は管轄の監督署に相談すると良いでしょう。

労働相談情報センターに相談する

各都道府県の行政サービスとして設置されている機関です。労働に関する様々な相談にのってもらえます。各都道府県によって名称が異なる場合があるため、調べる時に注意が必要です。派遣会社で解決できないトラブルについては利用を検討してみましょう。

派遣会社を変更する


派遣会社との間でも意図せずトラブルが発生してしまうことはありますが、その後の対応については派遣会社の信用問題に関わってきます。「対応が遅い」「はぐらかされる・誠実に対応してもらえない」「トラブルの原因に関わらず明らかに派遣先企業の味方に偏っている」など、対応に不信感を覚えたら派遣会社を変えることも検討しましょう。

同じ職場が見つかる保証はありませんが、派遣会社が違っても似たような派遣先を探して就業することは可能です。ただし雇用元が変わるため有給休暇の取得条件がリセットされたり、福利厚生の内容が変わる点には注意が必要です。今回のトラブルの原因を整理し、それが繰り返されない派遣会社選びをしましょう。

ほかの働き方を検討する

派遣先や派遣会社を変えてもトラブルが絶えない場合、派遣以外の働き方を検討するべきです。正社員との間に壁を感じたり、もっと裁量のある仕事がしたいと思ったら契約社員や正社員として働くことも視野にいれます。派遣では派遣会社が間に入りサポートしてくれる心強さがありますが、一方でトラブル発生時には仲介人がいることで事態を複雑にするケースも珍しくないのです。そこに課題を感じたのであれば仲介人を挟まない正社員や、雇用されないフリーランスという働き方に切り替えることで、悩みやトラブルが解消されるかもしれません。

いずれにしても自分にとってストレスが少ない働き方を選択することが、トラブル回避への近道と言えます。

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