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パラレルキャリアとは?副業との違いや6つの種類とあわせて注目されている理由も解説!
目次
- パラレルキャリアとは
- 副業との違い
- パラレルキャリアが注目されている理由
- 働き方の多様化が進んでいる
- 企業にとってのメリットが多い
- 企業の寿命が短命化している
- パラレルキャリアの6つの種類
- 1.自己現実型
- 2.起業移行型
- 3.ワークライフブレンド型
- 4.キャリア展開型
- 5.社内還元型
- 6.ライフワーク活性型
- パラレルキャリアのメリット・デメリット【個人・企業別】
- メリット【個人】
- 新しい人脈ができる
- 新しいスキルが身につく
- 時間管理能力が高まる
- 視野が広がる
- 本業のモチベーションがアップする
- 社会貢献ができる
- メリット【企業】
- 人材育成のコストが削減できる
- 離職率を下げられる
- 社員の成長がプラスに働く
- デメリット【個人】
- 途中で挫折してしまうことがある
- 勤務先が副業禁止の場合はできない
- 自分でスキルアップの努力をする必要がある
- 高い自己管理能力が求められる
- デメリット【企業】
- 就業規則の改正が必要になる
- 情報漏えいの可能性がある
- パラレルキャリアを始める準備
- 自分のスキルや伸ばしたいスキルを理解する
- 目標を明瞭にしておく
- パラレルキャリアができる環境に整える
- パラレルキャリアをする際の注意点
- 会社の制度を確認する
- コストがかかることもある
- ゆとりを持って行う
- 周囲の理解が得られないこともある
- 続けることで成果を得られる
- まとめ
パラレルキャリアとは
パラレルキャリアとは、本業以外に仕事を持つことや、非営利活動に参加することを指します。「パラレル」とは「平行・並行」という意味で使われる言葉で、キャリアを積む活動を複数並行して行うイメージを持つとわかりやすいと思います。
ここで言う本業以外の「キャリア」は、必ずしも仕事とは限りません。他の企業に所属して、またはフリーランスとして働くことはもちろん、ボランティアなど様々な実現の方法があります。
副業との違い
パラレルキャリアと副業はよく似た言葉ですが、大きな違いはその目的にあります。
パラレルキャリアの目的はスキルアップや人生を充実させること、社会貢献などで、報酬が発生しないボランティア活動なども含まれます。
一方、副業は2つの仕事を掛け持ち、本業以外で収入を得ることを目的としています。
パラレルキャリアが注目されている理由
「パラレルキャリア」は著名な経営学者・ドラッカーが1999年に初めて提唱した言葉です。
アメリカでは以前より注目されてきましたが、日本でも最近よく耳にするようになりました。これまで日本に根付いていた終身雇用や年功序列といった、日本型雇用のあり方が変化してきたことが背景です。
以下で詳しく説明していきます。
働き方の多様化が進んでいる
終身雇用や年功序列といった制度に代表される日本型雇用。一昔前までは、多くの人にとって新卒入社した会社で定年まで正社員として働くことが一般的でした。しかし昨今では、ワークライフバランスを重視する人も増え、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトなど、個々のライフスタイルに合わせて働く人の雇用形態も多様化しています。
さらに新型コロナウイルス感染症の流行によってテレワークが普及したことも追い風となり、会社に所属しないフリーランスとして働く人も増えつつあります。
働き方に様々な選択肢が登場したことで、本業以外でのキャリア形成をしやすい状況になっていると言えるでしょう。
企業にとってのメリットが多い
社員が本業以外でスキルアップや人間関係形成の場を持つことは、企業にとってもメリットがあります。パラレルキャリアで得たものを、本業に還元してくれることが期待できるからです。
パラレルキャリアの実現をサポートすれば、社員のモチベーションアップや定着率の向上にもつなげることができます。
企業の寿命が短命化している
パラレルキャリアを提唱したドラッガーは、企業の短命化にも言及していました。企業組織の寿命が働く人の労働可能年数を下回るような社会では、定年まで一つの企業で安定的に雇用されることが難しくなります。先ほども取り上げた新型コロナウイルス感染症の流行のように、将来の予測が難しい現代において、どの企業にとっても未来永劫に安泰と言い切ることは不可能です。
一つのキャリアだけに頼るのではなく、複数のキャリア形成によって将来に対するリスクを軽減することができるため、パラレルキャリアが注目されているのです。
パラレルキャリアの6つの種類
パラレルキャリアにはどのようなパターンがあるのでしょうか。以下で6つのパラレルキャリアについて説明してきますので、タイプごとの特徴を押さえ、自分が叶えたいパラレルキャリアはどのタイプなのかを考えてみてください。
1.自己現実型
自己実現型はそれぞれのキャリアに目的を持たせ「やりたいこと」「なりたい自分」を叶えるためのパラレルキャリアです。一つのキャリアだけでは達成できない目標も、パラレルキャリアによって実現可能になります。
2.起業移行型
起業移行型は将来的に店舗を持つ、会社を立ち上げるなど起業・独立を目指すタイプのパラレルキャリアです。本業に従事する傍ら、起業・独立を予定している分野の活動で経験を積んだり、人脈を広げるなどして起業・独立に向けて準備を行います。パラレルキャリアで積み上げた実績により、いきなり起業・独立するよりスムーズな移行が可能になるのです。
3.ワークライフブレンド型
ワークライフブレンド型は、複数のキャリアを別々に考えるのではなく、本業と別活動の相乗効果でキャリア形成をしていくパターンです。知識やスキル、経験、人脈など、本業で得たものを別の活動へ、別の活動で得たものを本業へと活かしながら、両方のキャリアを成長させていきます。
4.キャリア展開型
キャリア展開型では、本業と別の活動を関連付けることでキャリアを広げていきます。例えば本業でアパレルに携わり、別にカラーコーディネーターやパーソナルコーディネーターとして活動するなど、ファッションを軸にそれぞれで得た経験やスキルを活かしながらキャリアを展開するというような方法が考えられます。
5.社内還元型
本業とは別の活動で得た知識やスキル、経験を本業に還元していくタイプが社内還元型です。現在本業で携わっている業務に活かす場合も、社内で新規ビジネスを立ち上げるなどの場合もあります。
6.ライフワーク活性型
パラレルキャリアには、必ずしも目的が必要なわけではありません。本業とは別の活動によって充実感を得ることも一つの形です。このタイプがライフワーク活性型です。やりたいことにチャレンジしたり、社会に貢献することで充実感を得ることができます。
パラレルキャリアのメリット・デメリット【個人・企業別】
パラレルキャリアには、個人にも企業にもそれぞれメリット・デメリットがあります。ここでは個人・企業別にどのようなメリット・デメリットがあるのかを説明していきます。
メリット【個人】
本業以外に並行して別の活動に取り組むことによって、個人にとって様々なメリットがもたらされます。
新しい人脈ができる
パラレルキャリアの活動をすることで、勤務先の企業の外に人脈を広げることができます。こうして築いた人脈は、パラレルキャリア自体でも本業でも役に立つ機会があるでしょう。これまで関わる機会が少なかった年代の人など、自分と異なる視点を持つ人と出会うことで、人間として成長でき、人生が豊かになるに違いありません。
新しいスキルが身につく
さまざまな取り組みをする中で、本業では経験できなかった役割を果たしたり、普段と異なる領域にチャレンジすることができます。こうして広がったスキルは本業に還元できることはもちろん、他社への転職を検討する際にもアピールできるポイントになるでしょう。
時間管理能力が高まる
本業と、本業とは別の活動を並行に行う場合、もっともネックに感じられるケースが多いのが、時間の制約ではないでしょうか。別の活動に取り組むことを理由に本業をおろそかにするようでは本末転倒です。限りある時間の中で、複数の活動をどのようにしたら充実させられるかを考え、実施することでタイムマネジメント能力が高まります。
視野が広がる
新卒で入社した会社でずっと働き続けている場合、その会社での常識が世間の常識だと考えがちです。しかし、会社とは別の世界で活動し社外の人と関わると、これまでの「当たり前」が実はそうではなかったと気付くこともあるでしょう。さまざまな価値観に触れ、自分の視野を広げていきましょう。
本業のモチベーションがアップする
本業で行き詰まったり、ストレスを感じたりした時も、別の活動に没頭することでリフレッシュできます。本業で関わるのとは違うメンバーとの会話の中から、意外なヒントをもらえるかもしれません。
社会貢献ができる
パラレルキャリアとして、ボランティア活動など社会貢献性が高い活動に参加することができます。経済的な心配をせず社会貢献のために活動できるのは、本業で安定的な収入を得ているからこそです。
メリット【企業】
社員のパラレルキャリアを推進することは、企業にとってもメリットが少なくありません。企業には以下のようなメリットがあります。
人材育成のコストが削減できる
パラレルキャリアを推進すれば、社員が社外で学びを得て、成長してくれることが期待できます。業務に直結する知識・スキルだけではなく、マネジメントスキルやリーダーシップなど、汎用性の高い能力に磨きがかかることもあります。
離職率を下げられる
社員が本業以外にチャレンジしたいと考えた際、これまでは転職が真っ先に挙げられる選択肢だったのではないでしょうか。しかし企業側がパラレルキャリアを認めていれば、すぐに離職という事態は避けられるケースがあります。社員が長く定着してくれれば、教育コスト面での恩恵は大きくなるでしょう。しかし退職リスクはなくなるわけでななく、先延ばしになっているだけかもしれません。最終的に退職につながることも念頭に置いて人員計画を立てておくことは必要です。
社員の成長がプラスに働く
社員がスキルアップしたり、人脈を広げてくることで自社のビジネスにプラスになる可能性があります。他の活動によって得た新しい知見や経験によって、これまでにないアイデアも生まれる可能性もあります。
デメリット【個人】
ここまではメリットについて説明してきましたが、パラレルキャリアにはデメリットもあります。パラレルキャリアに取り組む前に、デメリットを上回るメリットがあるか、デメリットを最小限にするためにはどうしたらいいかを検討しておく必要があるでしょう。
途中で挫折してしまうことがある
パラレルキャリアの活動で成果を出すには、ある程度の期間継続して取り組まなければなりませんし、本業との相乗効果も期待できません。チャレンジしてみて合わないと感じたら、無理に続ける必要は決してありませんが、開始の前に腰を据えて臨めそうかを十分に検討しましょう。
勤務先が副業禁止の場合はできない
パラレルキャリアとしての活動であっても、活動で報酬を得る場合は副業とみなされます。また、無報酬であっても副業として扱われる可能性も考えられます。副業が認められている場合も条件があったり、届け出が必要な場合もありますので、まずは会社の就業規則を確認し、違反とならないようにしましょう。
自分でスキルアップの努力をする必要がある
本業では会社がスキルアップ支援制度を用意してくれたり、キャリアパスを提示してくれたりしますが、自分が主体的に行う活動ではスキルアップも自分の責任で行っていかなければなりません。
学習のために書籍の購入や資格取得、セミナーを受講したりするなどの場合はコストもかかります。パラレルキャリアでも実績を上げていくためにはある程度の自己投資が必須となることを想定しておきましょう。
高い自己管理能力が求められる
パラレルキャリアには本業の終業後や休日などを利用することになります。本来休息の時間を充てるため、睡眠時間などの体調管理には留意が必要です。また、パラレルキャリアの活動によって本業とは別のストレスがかかる場合もあります。パラレルキャリアが心身にもたらす影響によって、また時間の余裕のなさによって本業がおろそかにならないよう、しっかり自己管理を行わなければなりません。
デメリット【企業】
パラレルキャリアを推進するのであれば、活動する社員の管理についてのルール整備が欠かせません。企業側にはどのような対策が必要になるのでしょうか。
就業規則の改正が必要になる
報酬が発生するパラレルキャリアは、副業として扱わなければなりません。パラレルキャリアを推進したいが就業規則で副業を禁止している場合は、規則の改定が必要です。働き方改革によって既に副業の解禁が進み、既に対応済みの企業も多いと思われますが、副業とパラレルキャリアでは異なる面もあります。規則の改定が必要になるケースがないか、今一度確認しておきましょう。
情報漏えいの可能性がある
社員が複数の企業や団体で活動する場合、社内情報を持ち出すリスクがあります。重要なノウハウや顧客情報が渡ることがないよう、守秘義務契約を交わすなどの対策が必要です。
パラレルキャリアを始める準備
パラレルキャリアを始める場合、軸になるのは「今後自分のキャリアをどのように構築していくか」ということです。ここでは準備として考えておきたいポイントを、具体的に説明していきます。
自分のスキルや伸ばしたいスキルを理解する
まずは現状のスキル・キャリアの棚卸しから始めましょう。自分の強み、今の自分には足りないと感じるものは何でしょうか?
自分では気付いていなくても、第三者から見ると市場価値の高いスキルだということもあります。転職エージェントや人材派遣サービスを利用して、客観的なアドバイスをもらうのもよいでしょう。「type IT派遣」では自己分析のお手伝いだけでなく、今のスキル・キャリアを元にどのようなチャレンジの可能性が広がっているのかまでを提案します。方向性が定まらない・強みがよくわからない・・・という場合はぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
目標を明瞭にしておく
強み・弱みを把握できたら、その先にどのようなゴールを設定するかを決めましょう。実現したいキャリアに加えて、生き方や家庭での役割などについて、大切にしたいことは何かも考えておいてください。ゴールが想定できれば、そこから逆算して今何をするべきかが見えてくるはずです。
パラレルキャリアができる環境に整える
新しく活動をスタートさせるにあたり、そのための環境は整っているでしょうか?
継続的な時間の確保、家族の理解、会社への届け出は必要かなど、あらかじめ気になる点を整理しておきましょう。本業が忙しすぎて難しい場合、パラレルキャリアを念頭に置いて転職活動をするのも一つの手です。
パラレルキャリアや副業に理解のある企業を探す際にも活用を検討したいのが、前述の転職エージェントや人材派遣サービス。特に派遣社員は、週3~4日勤務や時短勤務など柔軟なワークスタイルを実現しやすい雇用形態です。「type IT派遣」では、叶えたい条件を企業側と交渉もしてくれますので、まずは気軽に働き方の希望を相談してみてはいかがでしょうか。
パラレルキャリアをする際の注意点
多くのメリットがあるパラレルキャリアですが、本業にプラスアルファの活動をすることになるわけですから、当然負担も増えます。無理なく、長く取り組めるようにするための心構えとして、どんなことを考えておけばよいでしょうか。
会社の制度を確認する
パラレルキャリアの対応は企業によってさまざまですので、勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。明確に規定されていない場合は人事部門など社内の担当者に相談しみてください。
パラレルキャリアで収入が発生する場合には副業とみなされ、特に注意が必要です。禁止されていなくても制限がある、届け出が必要などの場合もありますので、規則違反にならないよう気をつけましょう。
コストがかかることもある
本業と別の活動はあくまで個人として行うもののため、交通費などで発生する費用は自己負担です。事業として行う場合は経費扱いできるものもありますが、すぐに費用を回収できるわけではありません。あらかじめ費用を想定して確保しておかなければ、継続的な活動ができずに行き詰まってしまいます。コストは自己実現への投資と捉え、長い目で取り組むことが大切です。
ゆとりを持って行う
本業と別の活動にすべての時間やエネルギーを使ってしまうと、必要な休息や自由な時間が取れなくなります。生活習慣が乱れて体調を崩したり、家事や趣味などの時間が取れずにストレスを貯めるようなことでは、本来目指していた自己実現から遠のくことになります。
心身のゆとりを保てるよう、週に一日は完全なオフにするなど、無理なく続けられるようにしましょう。
周囲の理解が得られないこともある
企業がパラレルキャリアを推進していても、上司や同僚、部下などから理解を得られない可能性もあります。社外の活動を副業と思われて不信感を抱かれたり、本業に身が入らないのではと不安視されたりするなど、周囲からの見られ方には注意が必要です。周囲の理解を得るためには、本人がパラレルキャリアの活動について伝えることに加え、企業側からの積極的な情報発信が有効でしょう。
続けることで成果を得られる
本業でも、一定期間同じ業務に携わらなければ経験・スキルが蓄積されないのと同様、別の活動でもある程度の継続が必要になります。イチから始める場合、なかなか成果につながらないかもしれませんが、あくまで収入を目的にするのではなく、自己実現のための活動です。目標設定をしたり、仲間を作るなど、継続するためのモチベーション維持にも工夫してみてください。
まとめ
働き方が多様化する中、注目を集めているパラレルキャリア。収入を得ることにつながらなくても、本業以外の活動から得られる経験やスキル、人脈の広がりなどが新たな視点や気付きを与えてくれ、あなたの人生を豊かにしてくれることでしょう。
本業と両立しながらパラレルキャリアを実現するためには、柔軟な働き方を模索する必要もあるかもしれません。「type IT派遣」では、専属のキャリアコーディネーターがじっくり希望をヒアリングし、最適なお仕事をご紹介しています。パラレルキャリアの第一歩として、キャリアコーディネーターに相談してみるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
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